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年次有給休暇は当年度分と前年度分のどちらを優先して充当すればよいのですか?

 前回、大熊に対して年次有給休暇(以下、「年休」という)の買い上げに関する質問をした宮田部長。今週も引き続き、年休に関する質問を行うことにした。


宮田部長:
 大熊先生、年休に関してまだいくつか疑問に思っていることがあるのでお聞きしたいのですが、よろしいでしょうか?
大熊社労士:
 もちろん、いいですよ。何なりとお聞きください。
宮田部長宮田部長:
 ありがとうございます。年休は付与された年度に取得し切れなかった場合、翌年に繰り越されますよね?その結果、前年度付与分と当年度付与分の2年分の年休を持つことになると思うのですが、実際に年休を取得する際には、そのどちらから充当すればよいのでしょうか?
大熊社労士:
 なるほど、その疑問ですね。結論から言えば、会社が就業規則等でルールを決めればいいんですよ。そうすれば、当年度分からでも前年度分からでも、どちらを優先して充当しても問題はありません。
宮田部長:
 そうなんですか?いろいろな会社で話を聞いたら、前年度分から充当しているという話ばかりだったので、法的にそうしなければいけないのだと思っていました。
大熊社労士大熊社労士:
 確かに繰越をした前年度分から充当している会社が多いように思いますね。もし当年度分から充当するとした場合、それをすべて取得しない限り、前年度分は取得できないことから、従業員には不利になってしまいます。そこで前年度分から充当させる企業が多いのでしょうね。ただここで重要なのは、この取り扱いに関し、労働基準法において明確な規定が存在しないということでしょう。
宮田部長:
 だから、就業規則で定めれば、当年度分から充当とすることもできるのですね。
大熊社労士:
 その通りです。前年度分と当年度分のどちらを優先するのかは労使の利害が相反する部分でもありますので、無用なトラブルを防止する意味からも労使で話し合い、その取り扱いを就業規則に明示しておくことが望まれますね。
宮田部長:
 よく分かりました。ありがとうございました。

>>>to be continued


[大熊社労士のワンポイントアドバイス]

大熊社労士のワンポイントアドバイス こんにちは、大熊です。今回は年休取得における具体的取り扱いについて取り上げました。今回の話は意外に知られていないのではないかと思いますが、就業規則などに定めることにより、当年度発生分から充当することも可能ですので、就業規則を整備する際には具体的に検討をしておきたいものです。

[関連法規]
労働基準法 第115条
 この法律の規定による賃金(退職手当を除く。)、災害補償その他の請求権は二年間、この法律の規定による退職手当の請求権は五年間行わない場合においては、時効によつて消滅する。

民法 第488条
 債務者が同一の債権者に対して同種の給付を目的とする数個の債務を負担する場合において、弁済として提供した給付がすべての債務を消滅させるのに足りないときは、弁済をする者は、給付の時に、その弁済を充当すべき債務を指定することができる。
2 弁済をする者が前項の規定による指定をしないときは、弁済を受領する者は、その受領の時に、その弁済を充当すべき債務を指定することができる。ただし、弁済をする者がその充当に対して直ちに異議を述べたときは、この限りでない。
3 前二項の場合における弁済の充当の指定は、相手方に対する意思表示によってする。

民法 第489条
 弁済をする者及び弁済を受領する者がいずれも前条の規定による弁済の充当の指定をしないときは、次の各号の定めるところに従い、その弁済を充当する。
一 債務の中に弁済期にあるものと弁済期にないものとがあるときは、弁済期にあるものに先に充当する。
二 すべての債務が弁済期にあるとき、又は弁済期にないときは、債務者のために弁済の利益が多いものに先に充当する。
三 債務者のために弁済の利益が相等しいときは、弁済期が先に到来したもの又は先に到来すべきものに先に充当する。
四 前二号に掲げる事項が相等しい債務の弁済は、各債務の額に応じて充当する。


関連blog記事
2011年11月21日「年次有給休暇の買い上げは違法なのですか?」
https://roumu.com/archives/65527588.html
2011年10月3日「欠勤を自動的に年次有給休暇に振り替えても大丈夫でしょうか?」
https://roumu.com/archives/65517366.html
2011年5月16日「年次有給休暇の計画的付与とはどのような制度なのですか?」
https://roumu.com/archives/65483211.html
2011年1月17日「パートタイマーにも年次有給休暇を与えなければならないのですか?」
https://roumu.com/archives/65445924.html
2011年1月10日「定年退職者の年次有給休暇の取扱いについて教えてください」
https://roumu.com/archives/65441641.html
2011年1月3日「当日の朝に申請された年次有給休暇は認めなければなりませんか?」
https://roumu.com/archives/65440983.html
2009年7月20日「年次有給休暇の出勤率はどのよ
うに計算すればよいのですか」
https://roumu.com/archives/65119248.html

(大津章敬)

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受動喫煙防止対策助成金関係工事計画認定申請書(様式第1号)

shoshiki466 受動喫煙防止対策助成金の申請様式であり、受動喫煙防止対策助成金関係工事計画の認定申請を受ける際に提出する書類(画像はクリックして拡大)です。
重要度:
官公庁への届出:あり

[ダウンロード]
WORD
Word形式 shoshiki466.dco(50KB)
pdfPDF形式 shoshiki466.pdf(96KB)


[ワンポイントアドバイス]

 工事の着工前に計画の認定を受ける必要があります。


関連blog記事
2011年10月3日「受動喫煙防止対策助成金スタート!リーフレットのダウンロードも開始」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51877082.html

(福間みゆき)

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雇用促進税制 雇用促進計画 – 3

shoshiki465これは、雇用促進税制の申請様式「雇用促進計画-3」であり、計画期間中に分割・合併などの企業組織再編を行った場合に提出する書類(画像はクリックして拡大)です。
重要度:
官公庁への届出:あり

[ダウンロード]
WORD
Excel形式 shoshiki465.xls(36KB)
pdfPDF形式 shoshiki465.pdf(142KB)


[ワンポイントアドバイス]

 先日、厚生労働省より雇用促進税制のQ&Aが発表されており、関連blog記事で取り上げています。ぜひ活用ください。


関連blog記事
2011年11月7日「厚生労働省から発表された雇用促進税制のQ&A」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51886242.html

(福間みゆき)

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確定拠出型で貢献度を反映できる退職金制度にはどのようなものがありますか?

 ここ2週に亘り、服部社長に対し、貢献度反映型の退職金制度に関するレクチャーを行っている大熊。今回は貢献度反映型退職金制度の中でも確定拠出型で設計する場合の制度の選択肢について解説することとした。


大熊社労士大熊社労士:
 前回は貢献度反映型退職金制度の選択肢として、別テーブル方式についてお話ししました。この別テーブルと前々回お話したポイント制はいずれも確定給付型、つまり退職時に実際に支給する退職金の支給額を規程で保証する制度となります。従来のわが国の退職金制度のほとんどはこの確定給付型であり、また従業員にとっては実際に支給される金額が見えることから、安心感のある制度であると言えます。しかし、確定給付型は同時に経営上のリスクが高い仕組みでもあるのです。
服部社長:
 経営上のリスクですか?
大熊社労士:
 そのとおりです。例えば前回お話した別テーブル方式の退職金制度を例に取りましょう。前回(2011年11月7日のブログ記事「ポイント制以外の貢献度反映型退職金制度にはどのようなものがありますか?」参照)、例に挙げたのは勤続40年でM2で退職する社員に12,000,000円の退職金を支給するというものでした。確定給付型はこのように実際の支給額が明示されるという大きなメリットがある一方で、規程によって明示した以上は、必ずそれを支給しなければならないということになります。退職金制度はそもそも恩恵的な給付でありますが、退職金規程などにより制度化した場合には労働基準法第11条における賃金と同様の法的扱いを受けるとされているのです。
服部社長:
 つまり、会社の経営が非常に苦しいような場合であっても、約束した以上は必ず支給しなければならないということですね。
大熊社労士:
 はい、そのとおりです。特に最近は企業経営の先行きが不透明であり、更には退職金原資の運用環境も低迷していることから、確定給付型退職金制度のリスクが高まっています。そこで注目されているのが確定拠出型の退職金制度なのです。確定拠出型とは、将来の退職金支給のためにいま「拠出」する金額を「確定(約束)」する制度のことを言います。
服部社長:
 最近、確定拠出年金という言葉を耳にすることが多いですが、これもその一種ですか?
大熊社労士:
 その通りです。具体的には確定拠出年金がもっとも一般的な制度の一つになります。それではまずは確定拠出年金を活用した貢献度反映型の退職金制度の構築についてお話しましょう。確定拠出年金は、会社が一定のルールに基づいて掛金を拠出し、従業員がそれを会社が提示した複数の金融商品に分散して運用することで、将来、それを退職金として受給できるという制度です。
服部社長:
 それであれば聞いたことがありますね。従業員が自己責任で運用するという奴ですね。
大熊社労士:
 そのとおりです。この制度を運用するにあたっては様々な掛金の設定方法がありますが、貢献度反映型で行くのであれば、前々回のポイント制と同様の制度設計を行えばよいのです。つまり、社内における貢献度を表す等級制度に基づき、以下のように毎月の拠出額(掛金)を設定するのです。
 J1: 5,000円 J2: 7,000円
 S1:10,000円 S2:12,000円
 M1:15,000円 M2:20,000円
服部社長:
 なるほど。ポイント制では将来、退職時に支給される退職金額(ポイント)を規程に明示しましたが、確定拠出年金ではその掛金月額を明示し、実際に拠出していくのですね。
大熊社労士:
 その通りです。このようなルールにすることで、早く昇格し、会社に貢献した人材ほど掛金の元本合計が大きくなることから、退職金の支給額も大きくなるのです。実際には各社員の運用成果により支給額が異なりますが、仕組みとしては在職中の貢献度が退職金支給額に反映されることになる訳です。
服部社長服部社長:
 そして、会社としては退職金規程でこの掛金しか保証していない訳ですから、将来の退職金の積立不足は発生しないということですね。確かにこの制度は経営の視点で見ると大きなメリットがあるように思いますね。
大熊社労士:
 そうですね。やはり退職金制度は数十年という非常に長いスパンで考えなければならないものですので、安定的に運用できるということは大きなポイントになると思うのです。そのような発想で考えると、確定拠出型の制度は大きな選択肢になるのではないかと思います。もっともこの制度も、制度固有の課題がありますので、実際にはそうしたデメリットも含め、十分な検討が求められます。なお、中小企業の場合には確定拠出年金の代わりに中小企業退職金共済(中退共)を活用し、この確定拠出型の退職金制度を構築することも有力でしょう。
服部社長:
 よく分かりました。それでは経営者団体の後輩経営者にはそのように説明しておきます。もっとも詳しい話は私ではできませんので、また追加質問を受けた場合には大熊さんにそのままご紹介しますので、対応をお願いしますね。
大熊社労士:
 分かりました!いつもありがとうございます。

>>>to be continued


[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
大熊社労士のワンポイントアドバイス 
こんにちは、大熊です。3週に亘って貢献度反映型の退職金制度について取り上げました。近年、経営環境や雇用形態が大きく変容し、退職金制度も見直しが求められる時期になっているのではないかと思います。最近の退職金制度改革は今回ご紹介したような貢献度反映型の制度設計がほとんどとなっていますが、企業年金制度のバリエーションが増えたことにより、従来のポイント制一本槍から目的別に様々な制度を検討できる環境が整っています。今回は比較的オーソドックスな内容を取り上げましたが、実際にはキャッシュバランスプランなども有力な選択肢であり、こうした複数の制度の中から自社に最適な制度を導入することが重要な課題となっています。退職金制度は企業にとって大きな経営上の負担にもなっていることから、改めてゼロベースでの制度検討が求められているのではないでしょうか。

[関連法規]
労働基準法 第11条
 この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。


 関連blog記事
2011年11月7日「ポイント制以外の貢献度反映型退職金制度にはどのようなものがありますか?」
https://roumu.com/archives/65524928.html
2011年10月31日「ポイント制退職金制度とはどのような制度なのですか?」
https://roumu.com/archives/65523453.html

2011年6月6日「退職金規程では、支払時期や懲戒解雇時の取扱いなども明確に規定する必要があります」
https://roumu.com/archives/65486885.html
2011年5月30日「退職金規程では、その適用範囲と勤続年数の計算方法を明確に規定しましょう」
https://roumu.com/archives/65486856.html
2011年5月23日「退職金は企業にとって中長期的なリスクであると認識する必要があります」
https://roumu.com/archives/65485100.html
2009年11月2日「退職金は請求後7日以内に支給しなければならないのですか?」
https://roumu.com/archives/65156149.html

参考リンク
大津章敬著「日本一わかりやすい退職金・適年制度改革実践マニュアル」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4539720732/roumucom-22
大津章敬著「中小企業の退職金・適年制度改革実践マニュアル」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4539719599/roumucom-22

(大津章敬)

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雇用促進税制 雇用促進計画 – 2

shoshiki464これは、雇用促進税制の申請様式「雇用促進計画-2」であり、求人申込み見込みを報告するためのもの(画像はクリックして拡大)です。
重要度:
官公庁への届出:あり

[ダウンロード]
WORD
Excel形式 shoshiki464.xls(36KB)
pdfPDF形式 shoshiki464.pdf(123KB)


[ワンポイントアドバイス]

 単一の事業所において、募集・採用時期、職種・労働条件等が異なる求人を提出する見込みがある場合は、欄を分けて記載することになっています。


関連blog記事
2011年11月7日「厚生労働省から発表された雇用促進税制のQ&A」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51886242.html

(福間みゆき)

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厚生労働省から発表された雇用促進税制のQ&A

厚生労働省から発表された雇用促進税制のQ&A 2011年7月27日のブログ記事「従業員数増加1人当たり20万円の税額控除が受けられる雇用促進税制がスタート」で取り上げたとおり、今年度より雇用を増やす企業に税制上の優遇を行う雇用促進税制が創設・拡充されました。

 これに関しては、平成23年4月1日から8月31日までの間に事業年度を開始した事業主に対する提出期限の特例も設けられ、計画作成の際には多くの質問がハローワークや労働局に寄せられたようです。これに対し、先日厚生労働省から「雇用促進税制に関するQ&A」が発表されました。このQ&Aでは、「雇用促進税制について」と「雇用促進計画について」の二つに分類され、以下のような内容が質問に対し回答されています。計画作成の際に役立つ内容となっていますので、提出を考えている方はダウンロードの上、ご利用ください。

【雇用促進税制について】
Q1 雇用促進税制とはどのような制度か。

Q2 雇用促進税制の適用要件を一度でも満たした場合には、その後、適用年度中であれば継続して雇用促進税制の適用を受けることができるのか。

Q3 雇用者の採用を複数回に分けて行った場合や事業年度中に雇用者の離職があった場合でも、事業年度終了時に雇用者が増加していれば雇用促進税制の対象となるのか。

Q4 白色申告書を提出している場合であっても雇用促進税制の適用を受けることができるのか。

Q5 雇用者にはどのような者が含まれるのか。ハローワークを活用して雇い入れた者のみが対象となるのか。

Q5-11 外国人技能実習生や短時間労働者であっても、雇用保険一般被保険者であれば、雇用者に該当するのか。

Q6 中小企業に該当する法人や個人事業主の範囲はどのようになっているのか。
Q7 雇用促進税制の適用を受けるためには、適用年度とその適用年度開始の日前1年以内に開始した各事業年度に、「事業主都合による離職者」がいないことが要件の一つとされているが、「事業主都合による離職」とは、具体的にどのような理由による離職を指すのか。

Q8 「雇用増加割合が10%以上であること」という要件は、具体的にどのように判定するのか。

Q9-1 「給与等支給額が比較給与等支給額以上であること」という要件における比較給与等支給額とは、どのように計算するのか。

Q9-2 事業年度の中途において雇用者自身の都合による離職があった場合、給与等支給額はどのように計算するのか。

Q10 適用年度の前事業年度末日に雇用者がいない場合には、雇用増加割合が算出できないため、適用年度において雇用促進税制の適用を受けることはできないのか。

Q11 新設法人や新たに事業を開始した個人事業主は、いつから雇用促進税制の適用を受けることができるのか。

Q12 法人が適用年度において決算期変更を行った場合には、いつの事業年度から雇用促進税制を適用することができるのか。
(例)3月決算の法人が、平成23年10月1日から、9月決算に変更した場合

Q13 雇い入れ助成金などと雇用促進税制を同一年度で併用することはできるのか。

【雇用促進計画について】
Q1 雇用促進計画はどこのハローワークに提出するのか。また、郵送で提出することはできるのか。

Q2 雇用促進税制の適用に際して、雇用促進計画を提出できるのは1回だけか。

Q3 個人事業主の場合には、雇用促進計画の計画期間はどのようになるのか。

Q4 平成23年4月1日から8月31日までに事業年度を開始する場合は
10月31日までに雇用促進計画を提出することとなっているが、「雇用促進計画-1」の計画期間の日付はどのように記載すればいいのか。

Q5 適用年度の開始の日に新規採用した者は、適用年度における雇用者増加数に含めることができるのか。
(例)平成23年4月1日が事業年度の開始の日である場合、同日付けで新規採用をした者

Q6 役員の親族などの特殊関係者など、雇用者から除かれる者が雇用保険一般被保険者に該当する場合、雇用促進計画‐1への記載はどのようにするのか。

Q7 既に採用済みの者についても雇用促進計画-2へ記載するのか。

Q8 事業年度終了日に離職した者がいた場合は、計画終了時の一般被保険者数に含めるのか。

Q9 雇用促進計画期間中に個人事業主から法人になった場合、どのような手続きが必要となるのか。

Q10 計画期間中に組織再編が行われた場合はどのように取り扱うのか。

Q&Aのダウンロードはこちら

 関連blog記事

2011年7月27日「従業員数増加1人当たり20万円の税額控除が受けられる雇用促進税制がスタート」
https://roumu.com
/archives/51863111.html

参考リンク
厚生労働省「雇用促進税制」

(宮武貴美)

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中国人事管理の先を読む!第22回「進出企業の人事制度(15)人事考課③」

 今回は少し視点を変えて、「コンピテンシー」について、日本・中国双方の経験から解説したいと思います。1990年代に日本企業の多くは業績が著しく低迷し、辛酸を舐め、固定費である人件費を変動費として捉える動きが盛んになっていました。その時代にアメリカのコンサルティング企業から成果主義なるものが海を渡ってやって来たのですが、成果主義とセットになって渡来してきたのがこのコンピテンシーだったわけです。当時はとにかくどこの企業もコンピテンシー一色で、事実、このコンピテンシーで一儲けしたコンサルタントも多く生まれ、コンピテンシーこそが人事考課の最先端を走っていた時期もありました。

 しかし、所詮流行というものは長く続かず、2000年に入ってからはコンピテンシーと口に出すのも恐れるコンサルタントが続出。せっかく費用と時間をかけコンピテンシーを導入したにも関わらず、十分に活用できずにお蔵入りした企業も多く生み出してしまいました。それでは、コンピテンシーとは一体何かから解説したいと思います。

 それまでの日本企業の評価制度は「相対評価」が主流で、「標準人モデル」を基準にして、それよりも劣っている・優れているという、「標準人」と相対させて評価を行うというものが一般的でした。しかし、相対評価では所詮、標準人がベースになっているため、組織のレベルによって評価が決まってしまい、最大のパフォーマンスが生み出せるかどうかということとはあまり関連性がない評価になってしまいます。

 そこで注目されたのが「かけっこで一等になる人の腕の振り方や足の上げ方をモデルとする」コンピテンシーだったわけです。コンピテンシーの登場によってそれまでの標準人モデルは、すっかり姿を消してしまいました。「ベストプラクティス」とか「学習する組織」なる言葉がもてはやされたのもちょうどこの時期です。要は「一番になる」ためのモデルを研究して、それとの比較で社員を評価するというものがコンピテンシーなのです。考えようによっては「減点評価」なわけですね。

 それでは、このコンピテンシーと日本独自の能力評価とは何が違うのか。その違いを解説する理屈はあるのですが、運用しているうちに結局同じ性質のものになってしまうのがこの制度の大きな欠点です。というわけで、中国でも本社のコンピテンシー制度を導入している企業は時々目にしますが、はっきり言ってあまり賛成しません。コンピテンシーを昇格やアセスメントに用いるのであればまだしも、少なくとも社員の昇給や賞与の決定に使うというのはそれを合理的に説明できる管理者がいてこそ効果を生むものだと思うのです。

(2011年10月24日 Bizpresso掲載記事)


[執筆者プロフィール]
清原学清原学
株式会社名南経営 人事労務コンサルティング事業部
海外人事労務チーム シニアコンサルタント(中国担当)
 1961年兵庫県生。学習院大学経営学科卒。共同通信社、アメリカAT&Tにて勤務後、財団法人社会経済生産性本部にて組織人事コンサルティングに従事。大手エンジニアリング企業の取締役最高人事責任者(CHO)を歴任し、上海・大連・無錫・ホーチミン・香港の駐在を経て、2004年プレシード上海設立。中国進出日系企業約400社の組織構築、人事制度設計、労務アドバイザリー、人材育成に携わる。日本、中国にて講演多数。2011年からは株式会社名南経営にて日本国内での活動を行っている。
・独立行政法人 中小企業基盤整備機構 国際化支援アドバイザー
・ジェトロ上海センター 人事労務委託業務契約
・財団法人 社会経済生産性本部コンサルティング部 経営コンサルタント
・兵庫県中国ビジネスアドバイザー
・神戸学院大学 東アジア産業経済センター アドバイザー


清原学による中国人事労務管理関連セミナー情報
[東京]3時間で全体像を理解する!中国労務管理の基礎知識
日時:平成23年11月8日(火) 午後1時30分~午後4時30分
会場:名南経営東京事務所セミナールーム(日比谷)
詳細および申込みは以下より:
http://www.lcgjapan.com/sr/seminar/1111china.html

 

[名古屋]中国進出企業の労務管理・社会保険セミナー
第2回(労務管理)
中国労働関連法の最新政策と労務管理のポイント
日時:平成23年11月7日(月)13:30~16:30
場所:名古屋商工会議所 3階第5会議室(伏見)
詳細および申込みは以下より:
https://www.meinan.net/seminar/20111006rm.html


関連blog記事
2011年10月29日「3時間で全体像を理解する!中国労務管理の基礎知識セミナー 11月8日(火)に東京で開催」
https://roumu.com
/archives/51884163.html

2011年10月17日「名古屋で中国社会保険法セミナーを開催 次回は11月7日(月)に開催!」
https://roumu.com
/archives/51881052.html

2011年10月16日「労務事情10月1日号「中国社会保険法の日本人駐在員への適用Q&A」」
https://roumu.com
/archives/51880948.html

2011年10月15日「中国人事管理の先を読む!第21回「中国社会保険法暫定弁法の公布と施行」」
https://roumu.com
/archives/51880371.html

2011年10月6日「中国人事管理の先を読む!第20回「進出企業の人事制度(14)人事考課②」
https://roumu.com
/archives/51877066.html

2011年9月24日「中国人事管理の先を読む!第19回「進出企業の人事制度(13)人事考課①」」
https://roumu.com
/archives/51874552.html

2011年9月19日「中国人事管理の先を読む!第18回「進出企業の人事制度(12)中国社会保険法 外国人適用を読み解く」」
https://roumu.com
/archives/51873993.html

2011年9月18日「中国人事管理の先を読む!第17回「進出企業の人事制度(11)ベースアップ③」」
https://roumu.com
/archives/51873984.html

2011年9月17日「中国人事管理の先を読む!第16回「進出企業の人事制度(10)ベースアップ②」」
https://roumu.com
/archives/51873979.html

2011年9月11日「中国人事管理の先を読む!第15回「進出企業の人事制度(9)ベースアップ①」」
https://roumu.com
/archives/51871372.html

参考リンク
ビジネスフリーペーパー「Bizpresso」概要
http://bizpresso.net/about


(清原学)

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雇用促進税制 雇用促進計画 – 1

shoshiki463 雇用促進税制の申請様式「雇用促進計画-1」(画像はクリックして拡大)です。
重要度:
官公庁への届出:あり

[ダウンロード]
WORD
Excel形式 shoshiki463.xls(50KB)
pdfPDF形式 shoshiki463.pdf(7KB)


[ワンポイントアドバイス]

 この雇用促進税制の要件として、適用年度とその前事業年度に、事業主都合による離職者(雇用保険被保険者資格喪失届の喪失原因において、「3 事業主の都合による離職」に相当するもの)がいないことがあります。リーフレットに提出前の自己チェックシートが掲載されていますので、確認しておきましょう。



(福間みゆき)



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2011年11月の「人事労務のお仕事カレンダー」

11月 11月に入り、急に朝晩と寒くなりました。人事労務担当者としてはこれから年末調整という年内最後の大イベントがありますので、健康管理には注意したいところですね。さて、年末調整ですが、今月中には書類の回収が整うように、段取りを決めておきましょう。


年末調整に関するブログ記事特集
2011年10月28日「「年末調整で間違えやすいポイントの説明用資料」ダウンロード開始」
https://roumu.com
/archives/51884099.html

2011年10月25日「[年末調整]平成23年から変更となる源泉徴収票の様式と摘要欄の記載方法」
https://roumu.com
/archives/51882438.html

2011年9月21日「申告書の書き方見本も掲載された「平成23年分 年末調整のしかた」ダウンロード開始」
https://roumu.com
/archives/cat_1177839.html

2011年9月14日「[年末調整]平成24年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書ダウンロード開始!」
https://roumu.com
/archives/cat_1177839.html

2011年8月29日「年末調整の前に事前に確認しておきたい給与計算上での扶養親族人数」
https://roumu.com
/archives/51869523.html

2011年8月24日「源泉徴収票の見方など、身近な税金の仕組みが分かりやすく解説された国税庁の冊子」
https://roumu.com
/archives/51869015.html

2011年7月22日「平成24年の年末調整から変更となる生命保険料控除」
https://roumu.com
/archives/51861959.html

2011年7月21日「平成24年から変更される自家用車通勤時の通勤手当非課税枠の取り扱い」
https://roumu.com
/archives/51861835.html


[11月の主たる業務]
11月1日(火)労働時間適正化キャンペーン期間
参考リンク厚生労働省「11月に労働時間適正化キャンペーンを実施」
 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001rzhf.html

11月1日(火)労働保険適用促進強化期間 
参考リンク:鹿児島労働局「11月は労働保険適用促進強化期間です。」
http://kagoshima-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/news_topics/topics/h23/2011-1024-1.html

11月1日(火)建設雇用改善推進月間


11月10日(木) 一括有期事業開始届(建設業)届出
参考リンク:厚生労働省「労働保険関係各種様式」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudouhoken01/yousiki.html


11月10日(木)10月分の源泉所得税・住民税特別徴収税額の支払
参考リンク:国税庁「源泉所得税の納付期限と納期の特例 」
http://www.nta.go.jp/taxanswer/gensen/2505.htm


11月30日(水)10月分健康保険・厚生年金保険料の支払
参考リンク:日本年金機構「費用の負担」
http://www.nenkin.go.jp/main/employer/index3.html


[トピックス]
パート等の年間収入チェック
 パートやアルバイト等においては、所得税法上の扶養範囲(収入103万円以内)等で働いていることが多くあります。そのため、年末になってこのまま勤務するとその範囲を超えるため、急な欠勤が発生することが心配されます。いまのうちから年間収入をチェックしておき、年末の忙しい時期になって人手が足りないと困ることがないよう、調整しておきましょう。
関連blog記事:「パートタイマーが扶養家族にこだわる理由」
http://blog.livedoor.jp/ookumablog/archives/54401877.html
参考リンク:国税庁「所得税 配偶者控除」
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1191.htm


裁判員候補者への通知

 平成21年5月21日より裁判員制度が始まりましたが、来年1月からの裁判員候補者に対して、今月中旬より通知が届くようになっています。会社の方で従業員からの相談があれば応じる旨アナウンスしておきましょう。
関連blog記事:2010年6月16日「裁判員休暇終了(取消)届出書」
http://blog.livedoor.jp/shanaikitei/archives/55393989.html
2010年6月9日「裁判員休暇取得(変更)届出書」
http://blog.livedoor.jp/shanaikitei/archives/55393988.html
2008年11月19日「裁判員休暇規程」
http://blog.livedoor.jp/shanaikitei/archives/55178248.html
参考リンク:最高裁判所「裁判員制度」
http://www.saibanin.courts.go.jp/


[今月のアクション]
賞与決定までの準備
 今月は、賞与の支給額を決めるための準備があります。業績や勤務成績などの情報を整理し、人事評価資料の配布などを行う必要があります。

年末調整の申告書の手配
 年末調整の時期となりました。記入漏れや添付資料の不備がないように早めにチェックを行い、資料を整えておくことが準備の上で重要になってきます。

年賀状の手配
 そろそろ年賀状の手配が必要になります。早めに送付先の確認をしておきましょう。

(福間みゆき)

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ポイント制退職金制度とはどのような制度なのですか?

 先日、地元の経営者団体の役職に就任し、従来以上に忙しくなった服部社長。最近は他の経営者から相談を受けることが多くなっていた。


服部社長:
 大熊さん、こんにちは。最近はなかなか打ち合わせにも参加できず、申し訳なかったです。
大熊社労士:
 いえいえ、宮田部長からも最近お忙しくされていると聞いておりますので。それにしても経営者団体の方のお仕事も大変なようですね。
服部社長服部社長:
 そうですね。私も若い頃からこの会の先輩経営者にはいろいろ助けられましたので、いまは恩返しだと思っていますよ。さて、いまの話にも関係するのですが、最近、この団体に加入している若手経営者から結構相談を受けることが多くなってきたのですが、先日、退職金制度に関する質問を受けました。当社では数年前に大熊さんに制度改定をお願いしましたが、世間にはまだまだ手付かずという会社が多いようですね。
大熊社労士:
 そうですね。御社の場合は適格退職年金の廃止問題もありましたので、退職金制度の見直しが進みましたが、多くの中小企業ではまだまだ昔の制度が、十分な検証がされないままに放置されているというのが現状ではないかと思います。
服部社長:
 やはりそうなんですね。まあ確かに普段、会社を経営していて退職金を意識することはあまりないからなぁ。
大熊社労士:
 そうですね。それだけに退職金は経営上、大きなリスクになることがある訳です。さて、その会社では退職金についてどのような話になっているのですか?
服部社長:
 はい、現在は勤続年数別の支給額が退職金規程で定められているようなのです。
大熊社労士:
 なるほど、定額制ですか。例えば勤続30年で500万円といった感じなのですね?
服部社長:
 そのようです。それこそ30年以上前からその制度を運用してきたようなのですが、在職中の貢献度がまったく退職金に反映されないのは問題だと考えているようです。そこで退職金に在職中の貢献度を適切に反映させることができる仕組みを考えたいという相談でした。
大熊社労士大熊社労士:
 なるほど。近年は今回のご相談のように退職金にも在職中の貢献度を仕組みとして反映させたいと考える企業が一般的になっています。具体的な制度としてはいくつか候補がありますが、貢献度反映型の退職金制度の代表選手といえばやはりポイント制退職金制度ではないでしょうか。
服部社長:
 ポイント制ですか。
大熊社労士:
 はい。ポイント制退職金制度は専門的にいえば、確定拠出型/貢献度反映型の退職金制度というものになります。確定拠出型というのは退職時に実際に支給する金額を退職金規程等で約束する制度のことを言いますが、それでも分かりにくいと思いますので簡単な例を出しましょう。一般社員と管理職は通常、貢献度が違いますよね?
服部社長:
 そうですね。当然、管理職の方が貢献度が大きいですね。
大熊社労士:
 はい。そこでポイント制退職金制度では、例えば一般社員については在職1年当たり10万円、管理職については同じく在職1年当たり20万円の退職金を支給するといったルールを定めるのです。つまり、勤続40年の場合、一般社員で40年の場合の退職金は10万円×40年=400万円。これに対し、一般社員として10年勤務した後、残りの30年は管理職であった場合には、10年×10万円+30年×20万円=700万円となります。
服部社長:
 つまり、早く管理職に昇進し、会社に大きな貢献を残してくれた社員については毎年の付与金額が大きくなるので、結果的に退職金が増えるということですね。
大熊社労士:
 その通りです。実際には社内にある等級制度に基づき、以下のようなポイントを付与し、それを累積させ、最終的にその累積ポイントの合計にポイント単価を乗じて、退職金を計算することになります。よってポイント制と呼ばれるのです。
 J1:10ポイント J2:15ポイント
 S1:20ポイント S2:30ポイント
 M1:40ポイント M2:50ポイント
服部社長:
 なるほど。非常に分かりやすい制度ですね。
大熊社労士:
 そうですね。この制度は職能資格制度などの等級制度と非常に相性が良いために、多くの企業で導入が行われています。もっとも貢献度反映型の退職金制度はポイント制だけではありません。来週は、その他の貢献度反映型の退職金制度について解説したいと思います。
服部社長:
 分かりました。よろしくお願いします。


>>>
to be continued


[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
大熊社労士のワンポイントアドバイス 
こんにちは、大熊です。今回はポイント制退職金制度について取り上げました。近年の退職金制度改定においては、このポイント制がもっとも基本の選択肢となっています。今回はポイント制の原型である等級ポイントのみで構築する仕組みをご紹介しましたが、実際には勤続年数に対応する勤続ポイントなどを設定する例も多く見られます。企業業績の低迷と社員に高齢化、そして運用環境の悪化により、退職金については今後、企業経営上の大きなリスクになることは不可避な状態にあります。まずは自社の退職金の現状を把握し、早い段階で制度改定や資金手当などの具体的対策を打っておきたいものです。


関連blog記事
2011年6月6日「退職金規程では、支払時期や懲戒解雇時の取扱いなども明確に規定する必要があります」
https://roumu.com/archives/65486885.html
2011年5月30日「退職金規程では、その適用範囲と勤続年数の計算方法を明確に規定しましょう」
https://roumu.com/archives/65486856.html
2011年5月23日「退職金は企業にとって中長期的なリスクであると認識する必要があります」
https://roumu.com/archives/65485100.html
2009年11月2日「退職金は請求後7日以内に支給しなければならないのですか?」
https://roumu.com/archives/65156149.html

参考リンク
大津章敬著「日本一わかりやすい退職金・適年制度改革実践マニュアル」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4539720732/roumucom-22
大津章敬著「中小企業の退職金・適年制度改革実践マニュアル」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4539719599/roumucom-22

(大津章敬)

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