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[H23改正雇用保険法③]徴収法改正による現状より引き下げが可能となる雇用保険料率

徴収法改正による雇用保険料率の引き下げ 全3回シリーズでお届けしている平成23年度 雇用保険改正短期連載ですが、今日は最終回をお届けしましょう。最終回の本日は、雇用保険料率の変更に関する改正として労働保険の保険料の徴収等に関する法律(労働保険徴収法)に関する改正について取り上げます。

 雇用保険料率は労働保険徴収法により、原則的な料率が決められていますが、その上で毎会計年度において、雇用保険の財政状況により一定の範囲内で保険料率の変更ができるような仕組みとなっています。今回の改正では原則的な料率が引き下げとなり、その結果、来年度以降の雇用保険料率は今年度より引き下げが可能となっています。

 具体的には、雇用保険二事業の料率が原則である1,000分の3.5の場合と雇用保険二事業の料率に弾力条項が適用された場合のふたつの場合に分かれ、左表(表はクリックして拡大)のとおりとなります。この改正は平成24年4月1日から施行されますが、これにより、平成24年度以降の保険料率は、弾力条項を用いて、1.0%まで引き下げることが可能となります。具体的な保険料率は財政状況を踏まえ、労働政策審議会の意見を聴いた上での変更となりますので、改正情報はこまめにチェックしておきたいものです。


関連blog記事
2011年5月31日「[H23改正雇用保険法②]暫定措置が廃止され大幅な引上げとなった再就職手当等の変更」
https://roumu.com
/archives/51849719.html
2011年5月27日「[H23改正雇用保険法①]基本手当の賃金日額の変更等の実施」
https://roumu.com
/archives/51849345.html
2011年5月9日「震災特例として大幅な延長が認められた雇用保険の個別延長給付」
https://roumu.com
/archives/51845049.html
2011年4月1日「東日本大震災に伴う雇用保険の特例措置に関するQ&Aが公開[引用・転載歓迎]」
https://roumu.com
/archives/51836556.html
2011年3月30日「継続雇用制度の労使協定がない事業所における定年退職者の雇用保険離職理由は事業主都合扱いに」
https://roumu.com
/archives/51835513.html
2011年2月14日「平成23年度の雇用保険料率は前年据え置きとなり一般の事業で1000分の15.5」
https://roumu.com
/archives/51823246.html
2011年2月2日「妥当との答申がなされた平成23年度 雇用保険法改正の法律案要綱」
https://roumu.com
/archives/51820307.html
2010年12月20日「就職手当の支給率アップや基本手当の上下限額の見直しが検討される雇用保険制度」
https://roumu.com
/archives/51808664.html
2010年12月17日「平成23年3月31日で終了する定年後の継続雇用制度の対象者基準に係る特例」
https://roumu.com
/archives/51807957.html
2010年12月10日「労政審で議論される来年度の雇用保険制度改正の動向」
https://roumu.com
/archives/51806100.html
2010年8月18日「日本年金機構から公開された定年退職時以外の社会保険同日得喪の取扱い」
https://roumu.com
/archives/51771757.html
2010年7月13日「社会保険同日得喪の適用対象範囲拡大による在職老齢年金への好影響]
https://roumu.com
/archives/51759403.html
2010年7月12日「適用対象範囲が定年以外にも広がった社会保険の同日得喪」
https://roumu.com
/archives/51758834.html
2010年4月2日「4月より改廃・新設された高齢者雇用に関する助成金制度」
https://roumu.com
/archives/51716404.html
2009年11月07日「[ワンポイント講座]雇用保険と老齢年金の支給調整で勘違いしやすいポイント」
https://roumu.com
/archives/51646540.html

参考リンク
法令等データベース「雇用保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部を改正する法律の施行について」
http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T110523L0010.pdf

(宮武貴美)

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試し出勤実施申請書ならびに同意書

shoshiki429 心の健康問題により休業している労働者が短時間勤務などの試し出勤を希望する場合にその申し出を行うための書式サンプル(画像はクリックして拡大)です。
重要度 ★★


ダウンロード]
WORD
Word形式 shoshiki429.doc(27KB)
pdfPDF形式 shoshiki429.pdf(5KB)


[ワンポイントアドバイス]
 この試し出勤については、従業員の心身状況によって途中で中止することができるよう、試し出勤時の取扱いを要綱に定めておくことが求められます。



関連blog記事
2009年4月20日「職場復帰に関する意見書(平成21年3月改訂)」
https://roumu.com/archives/55246980.html
2009年4月16日「職場復帰支援に関する面談記録票(平成21年3月改訂)」
https://roumu.com/archives/55246979.html
2009年4月13日「職場復帰支援に関する情報提供依頼書(平成21年3月改訂)」
https://roumu.com/archives/55246978.html


参考リンク
厚生労働省「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引きについて」
http://www-bm.mhlw.go.jp/houdou/2004/10/h1014-1.html


(福間みゆき)


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新卒者向けの職業訓練について

新卒者向けの職業訓練についてタイトル:新卒者向けの職業訓練について
発行者:厚生労働省
発行年月日:平成23年4月
ページ数:2ページ
概要:就職が決まらないままに卒業した者に対する無料の職業訓練や訓練期間中の生活費の支給措置に関する取り扱いについてまとめたリーフレット
Downloadはこちらから(242KB)
http://www.lcgjapan.com/pdf/kunren.pdf

(大津章敬)

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2011年6月の「人事労務のお仕事カレンダー」

 全国的に梅雨の時期となりました。今月は労働保険の年度更新手続や夏季賞与の準備があり、総務・人事担当者にとっては忙しい時期となります。そのため、スケジュールを立て余裕をもって準備を進めておきたいものですね。

[6月の主たる業務]
6月1日(水) ~労働保険の年度更新(7月11日まで)
関連blog記事:2011年5月26日「宮崎労働局からでEXCELでダウンロードできる年度更新の様式ファイル」
https://roumu.com
/archives/51848970.html
2011年5月17日「厚生労働省 労働保険年度更新手続きのコールセンターを開設」
https://roumu.com
/archives/51847019.html
2011年4月26日「平成23年度労働保険年度更新のお知らせが愛知労働局より発表に」
https://roumu.com
/archives/51842160.html
2011年4月22日「大きく変わる労災保険の特別加入手続き」
https://roumu.com
/archives/51841350.html
2011年2月22日「平成23年度 労働保険料率は平成22年度の料率を据え置きで決定」
https://roumu.com
/archives/51825414.html
参考リンク:愛知労働局「 平成23年度労働保険年度更新のお知らせ」
http://www.aichi-rodo.go.jp/topics/11041501/11-04-15-1.html

6月10日(金)一括有期事業開始届(建設業)届出
主な対象事業:概算保険料160万円未満でかつ請負金額が1億9000万円未満の工事
参考リンク:大阪労働局「一括有期事業」
http://osaka-rodo.go.jp/hoken/seido/kosin/yuki/yoken.html

6月10日(金)5月分の源泉所得税・住民税特別徴収税額の支払
参考リンク:国税庁「源泉所得税の納付期限と納期の特例 」
http://www.nta.go.jp/taxanswer/gensen/2505.htm

6月20日(月)高卒者の求人票受付開始
参考リンク:茨城労働局「平成24年3月新規中学校及び高等学校卒業者の就職に関する申し合わせ」
http://www.ibarakiroudoukyoku.go.jp/wnew/wnew110426.pdf

6月30日(木)5月分健康保険・厚生年金保険料の支払
参考リンク:日本年金機構「保険料と総報酬制について」
http://www.nenkin.go.jp/main/employer/index3.html

[トピックス]
賞与支払届の提出
 賞与を支給した場合にも社会保険料を徴収し納付する義務があり、支給日より5日以内に所轄の年金事務所(健康保険組合に加入している場合は健康保険組合)に賞与支払届を届け出ることになっています。

[今月のアクション]
住民税の改定対応
 今月より住民税が改定されます。早めに給与計算ソフトのマスター(住民税の額)を変更して、給与計算に備えておきましょう。

障害者、高年齢者雇用状況の確認
 高年齢者および障害者の雇用状況報告書(6月1日現在)の提出期限は7月15日となっていますが、管轄のハローワークによっては6月末までに提出してもらうようアナウンスしています。 早めに人数を確認しておきましょう。

(福間みゆき)

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[H23改正雇用保険法②]暫定措置が廃止され大幅な引上げとなった再就職手当等の変更

再就職手当等の変更 先日スタートした改正雇用保険法連載ですが、2011年5月27日のブログ記事「基本手当の賃金日額の変更等の実施」に引き続き、今回は就業促進手当の改正について取り上げたいと思います。この就業促進手当は、雇用保険の失業等給付の1つであり、就業手当、再就職手当、常用就職支度手当の3つから構成されています。今回の改正では、これらのうち再就職手当と常用就職支度手当の2つについて見直しがされています。

再就職手当
 再就職手当とは、離職者が雇用保険の被保険者となる場合や、事業主となって雇用保険の被保険者を雇用する場合などの安定した職業に就いた場合に、就職日の前日における基本手当の支給残日数により、一定額の手当を支給するというものです。その残日数と支給額(給付率)については、平成21年3月の雇用保険法改正において、要件緩和と引上げが平成24年3月31日までの暫定措置として行われていましたが、今回、暫定措置が廃止され、更なる支給額(給付率)の引上げが行われました。これに伴い、平成23年8月1日以降は以下のとおりとなります。
 基本手当の支給残日数が
 所定給付日数の3分の2以上である場合:60%
 所定給付日数の3分の1以上である場合:50%

常用就職支度手当
 常用就職支度手当とは、障害者や就職日において45歳以上で雇用対策法等に基づく再就職援助計画の対象者等、一定の基準により就職が困難だと判断された離職者が、公共職業安定所の紹介等により再就職した場合に一定額の手当を支給するというものです。この手当も平成21年3月の雇用保険法改正で暫定措置が設けられていましたが、平成23年8月1日以降は支給額(給付率)が基本手当の支給残日数の40%となりました。(※一定の要件や限度あり)

 就業促進手当は、企業の担当者は触れる機会が少ないかと思われますが、基本的な事項は押さえて、退職者や内定者等から相談があったときには対応できるようにしておきたいものです。


関連blog記事
2011年5月27日「[H23改正雇用保険法①]基本手当の賃金日額の変更等の実施」
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2010年7月12日「適用対象範囲が定年以外にも広がった社会保険の同日得喪」
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2010年4月2日「4月より改廃・新設された高齢者雇用に関する助成金制度」
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2009年11月07日「[ワンポイント講座]雇用保険と老齢年金の支給調整で勘違いしやすいポイント」
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参考リンク
法令等データベース「雇用保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部を改正する法律の施行について」
http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T110523L0010.pdf

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雇用調整助成金 支給対象変更のお知らせ

lb05225タイトル:雇用調整助成金 支給対象変更のお知らせ
発行者:厚生労働省
発行時期:平成23年5月18日
ページ数:1ページ
概要:判定基礎期間の初日が平成23年7月1日以降の申請分より被保険者期間が6ヵ月未満の労働者は雇用調整助成金・中小企業緊急雇用安定助成金の対象とならなくなることを紹介したリーフレット
Downloadはこちらから(339MB)
http://www.lcgjapan.com/pdf/lb05225.pdf


関連blog記事
2011年4月8日「震災に伴う雇用調整助成金の特例の拡充[引用・転載歓迎]」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51838051.html

2011年4月7日「雇用調整助成金申請において書類添付が困難な場合の弾力措置[引用・転載歓迎]」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51837809.html

2011年3月24日「厚労省から出された東日本大震災に伴う雇用調整助成金活用Q&A[引用・転載歓迎]」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51833828.html
2011年3月18日「東日本大震災の被災に伴う事業活動の縮小が雇用調整助成金の支給要件に追加されました[引用・転載歓迎]」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51832727.html
2011年3月9日「4月1日に支給額の大幅引き下げが予定される中小企業基盤人材確保助成金」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51829377.html
2011年2月16日「平成23年4月1日に中小企業雇用安定化奨励金と短時間労働者均衡待遇推進等助成金が統合へ」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51823964.html
2011年2月7日「今春卒業予定未内定者についても2月から既卒者対象雇用奨励金の対象が拡大」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51821695.html
2011年1月6日「若年者等正規雇用化特別奨励金の対象者が一部拡充されています」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51813245.html

参考リンク
厚生労働省「事業主の方への給付金のご案内」
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/

(福間みゆき)

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退職金規程では、その適用範囲と勤続年数の計算方法を明確に規定しましょう

 退職金についてはその支給額が高額になる場合が少なくないことなどから、トラブルが発生しやすい制度であると言われている。そこで今回、大熊はそうしたトラブルを防止するための退職金規程整備のポイントについて解説することとした。


大熊社労士:
 先週は退職金の現状把握の重要性についてお話しましたが、本日はそれに引き続き、退職金規程作成の際に注意すべきいくつかのポイントについてお話したいと思います。
服部社長:
 分かりました。よろしくお願いします。
大熊社労士:
 退職金規程を整備する際に注意すべきポイントはいくつもあるのですが、中でも以下の5つは必ず確認しておくべき重要なポイントとなります。
規程の適用範囲を明確に定める。
勤続年数の計算方法および除外する期間を明確に定める。
退職金の支払時期を明確に定める。
懲戒解雇時の退職金の不支給・減額規定を明確に定める。
外部積立との支給調整の取り扱いを明確に定める。
服部社長:
 なるほど、退職金規程というのは単に退職金の支給基準を定めておけばよいというものではないのですね。
大熊社労士:
 そのとおりです。無用なトラブルを防止するためには、ポイントを押さえたルール整備が重要となりますが、中でもトラブルになりやすいのが、の規程の適用範囲です。ほとんどの企業ではパートタイマーや嘱託社員などについては退職金制度の適用を除外し、正社員のみを制度の対象としていると思いますが、そのような場合には退職金規程の適用範囲を明確に定めておくことが重要です。具体的には「この規程による退職金制度は、会社に雇用され勤務する正社員にのみ適用する。パートタイマー、嘱託など正社員以外の区分にて雇用される従業員については退職金を支給しない」といった規定を置いておくことが求められます。
服部社長服部社長:
 なるほど。経営者としては退職金制度の適用があるのは正社員のみと頭から考えていますが、こうした適用範囲に関する定めがなく、支給基準だけがあるとしたら、パートタイマーなどから退職金を請求される可能性があるかも知れませんね。
大熊社労士:
 はい、実際にそういったトラブルは少なくありません。また適用範囲の記載はあるものの、その内容が曖昧で問題になることもあります。実際にあった例ですが「この規程は、臨時に雇用される者については適用しない」という規定をしている会社がありました。会社としては「臨時に雇用される者」の中にパートタイマーや嘱託社員が含まれると解釈していたのですが、多くのパートタイマーは契約を何度も反復更新しており、あるとき退職したパートタイマーから、「私は臨時に雇用される者には当たらない」として退職金を請求されてしまったのです。
服部社長:
 そんなことがあるのですね!
大熊社労士:
 はい、それだけにパートタイマーなどに退職金を支給しないという場合には、できるだけ具体的にその適用除外の範囲を明示することが重要です。
服部社長:
 なるほど、よく分かりました。
大熊社労士:
 次にの「勤続年数の計算方法および除外する期間を明確に定める」という点ですが、これを更に分解すると以下の4点について明確に規定しておくことが望まれます。

  1. 試用期間の取り扱い
  2. 正社員に登用される前のパートタイマー等として契約していた期間の取り扱い
  3. 休職期間や育児休業、介護休業などの取得期間の取り扱い
  4. 1年未満の端数期間の取り扱い

服部社長:
 これはかなり実務的な内容ですね。
大熊社労士大熊社労士:
 そうですね。まず1.の試用期間ですが、多くの企業では入社後3ヶ月~6ヶ月程度を試用期間としていることが通常です。この試用期間を退職金算定における勤続年数に含めるかどうかを明確にしておくことが必要です。ほとんどの企業では試用期間も勤続年数に含めるとしているかと思いますが、もし勤続年数には含めないとするのであれば、その旨を明確に規定しておくことが重要です。次に2.の「正社員に登用される前のパートタイマー等として契約していた期間の取り扱い」ですが、これは意外にノーマークになっていることがあります。一般的な退職金規程においては「退職金計算の対象となる勤続年数は、入社日から起算し、退職の日までとする」というように規定されていることが多いのですが、パートタイマーから正社員登用された場合には、この入社日が「パートタイマーとして入社した日」なのか「正社員に登用された日」のいずれなのかがはっきりしないという問題が発生することがあります。結果、パートタイマーで10年勤務し、その後、正社員に転換して5年後に退職する場合、勤続15年の退職金を請求されることがあるのです。
宮田部長宮田部長:
 そんな事例があるのですか!会社としては当然、正社員に登用されてからの5年間が退職金の対象となる勤続年数と考えますが、確かに請求する側から見ればそのように解釈できないこともないのかも知れませんね。確かにこれはノーマークでした。
大熊社労士:
 ですよね。ですからそうしたトラブルを想定するのであれば、「正社員に登用された者の退職金計算における入社日は正社員登用日とする」であるとか、「正社員以外の雇用区分での勤続年数は含めない」といったルールを明確にしておいた方がよいでしょう。
服部社長:
 なるほど、よく分かりました。
大熊社労士:
 次に3.の「休職期間や育児休業、介護休業などの取得期間の取り扱い」ですが、こうした休業期間については退職金計算における勤続年数から除外する例がほとんどです。よって「就業規則に定める休職期間および育児・介護休業期間については勤続年数より除外して計算する」といった規定が必要となります。特に最近は育児休業の制度が拡充されており、またその取得率も高まっていることから、トータルの勤続年数は5年ながら、その内、3年間は育児休業を取得していたというような例も見られます。それだけに退職金に明確なルールを置いておくことが重要です。
服部社長:
 確かにそうですね。
大熊社労士:
 そして最後の「4.1年未満の端数期間の取り扱い」ですが、これが曖昧になっているケースも少なくありません。1年未満の端数期間については切り捨てにするのか、月数按分にするのか。月数按分にする場合には、1ヶ月未満の端数日数をどのように取り扱うのかといった細かいルールが必要になります。
宮田部長:
 なるほど。退職金計算における勤続年数だけでもこれだけ細かい問題があるのですね。どれも言われなければ気付かないようなものばかりです。
大熊社労士:
 そうですね。我々社労士はいろいろな企業で多くのトラブルに遭遇していますから、こうした規定の重要性をいつも感じています。お話したいポイントはあと3つありますが、今日はそろそろ時間のようですから、それらはまた次回お話したいと思います。
服部社長:
 了解しました。それではまた次回、よろしくお願いします。

>>>to be continued

[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
大熊社労士のワンポイントアドバイス 
こんにちは、大熊です。本日は退職金規程を整備する際に注意すべき5つのポイントのうち、2つを取り上げました。非常に細かい内容が多かったと思いますが、いずれも非常にトラブルになりやすい点ですので、確実に対応しておくことが求められます。中でも①の「規程の適用範囲を明確に定める」にあったように、正社員以外の従業員については規程整備を行う上では、特に注意が必要です。通常、パートタイマーや嘱託社員は正社員と比較して労働条件に不利な点があることがほとんどです。今回の退職金が典型ですが、それ以外にも賞与や特別休暇、休職制度、慶弔見舞金制度など、正社員に用意されている制度が適用除外とされていることが多くあります。よってパートタイマーなどの就業規則を整備する際には、そうした正社員との労働条件の差について明確に規定することが求められます。まずは両者の労働条件で差異がある部分を抽出し、それが規程に明示されているかどうかの確認を進めて頂ければと思います。


関連blog記事
2011年5月23日「退職金は企業にとって中長期的なリスクであると認識する必要があります」
https://roumu.com/archives/65485100.html

参考リンク
大津章敬著「日本一わかりやすい退職金・適年制度改革実践マニュアル」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4539720732/roumucom-22
大津章敬著「中小企業の退職金・適年制度改革実践マニュアル」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4539719599/roumucom-22

(大津章敬)

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厚生労働省から公開された年度更新申告書計算支援ツール

厚生労働省からも公開された年度更新申告書計算支援ツール 先週木曜日のブログ記事「宮崎労働局からでEXCELでダウンロードできる年度更新の様式ファイル」では、年度更新が効率的に進められる労働保険年度更新のツールをご紹介しましたが、先日、厚生労働省からも年度更新の様々なツールが公開されました。

 これらのツールの中には「一括有期事業開始届(建設の事業)」や「特別加入保険料算定基礎特例計算対象者内訳」等の様式もありますが、年度更新申告書計算支援ツールの提供も行われています。賃金等のデータを入力することで申告書イメージが掲載されるため、宮崎労働局のツール利用時と同様に、記載ミス等の防止ができるものとなっています。今週中には年度更新の申告書も到着すると思いますので、すぐに申告できるように準備を進めておきたいものです。

労働保険関係各種様式のダウンロードはこちらから!
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudouhoken01/yousiki.html


関連blog記事
2011年5月26日「宮崎労働局からでEXCELでダウンロードできる年度更新の様式ファイル」
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厚生労働省「労働保険関係各種様式」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudouhoken01/yousiki.html

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パソナ名古屋で6月17日に労基署調査対策セミナーを開催

パソナ名古屋で6月17日に労基署調査対策セミナーを開催 弊社社会保険労務士の服部英治が2011年6月17日(金)に株式会社パソナ様において以下のセミナーを開催することとなりました。こちらはオープンセミナーですので、是非ご参加をお待ちしております。


今年度の労基署調査の動向と企業の労務管理対策
2011年6月17日(金)午後2時~4時 
講師:株式会社 名南経営 社会保険労務士 服部英治


 労働基準監督署による総合調査は、毎年春に厚生労働省より発表される各年度の「労働基準行政方針」に基づいて実施されます。昨年度までは、長時間労働対策が重点政策となっており、36協定の管理や未払い賃金の支払いなどで多くの企業が是正勧告を受け、適正な労務管理の実施が求められました。

 今回のセミナーでは、平成23年度の労働基準行政方針を読み解き、今年度の労働基準監督署調査の具体的な動向を踏まえた上で、様々な角度から労働基準監督署の指摘を受けない体制を整備するための取り組み方法などについて、わかりやすくお話させて頂きます。是非ご参加下さい。  

日 時:2011年6月17日(金)14:00~16:00(受付開始:13:45)
会 場:パソナ・名古屋
     名古屋市中区栄3-6-1 栄三丁目ビル(ラシック)10 F
定 員:40名
内容:
1. 『労働基準監督署調査の目的と監督官の権限』
2. 『平成23年度の労働基準行政の重点政策と対策』
3. 『労基署調査に怯えない企業の労務管理ポイント』
講師:服部英治(株式会社名南経営 社会保険労務士)
参加費:無料
お問合せ:株式会社パソナ 052-561-1439

[詳細およびお申込み]
 本セミナーの詳細およびお申込は以下よりお願いします。
http://www.pasona.co.jp/event/110617.html

(大津章敬)

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日本経団連調査による大企業夏季一時金の第一次集計結果は4.17%プラスの809,604円

日本経団連 夏季一時金の第一次集計結果 夏季賞与の準備をそろそろ進めている企業も多いのではないかと思われますが、先日、日本経団連より「2011年夏季賞与・一時金 大手企業業種別妥結状況(第1回集計:2011年5月18日)」の資料が公表されました。

 この調査の対象は主要21業種・大手249社で、東証一部上場、従業員500人以上が原則。今回の集計では妥結し、平均額が判明している60社の集計結果となっています。これによれば今夏の大手企業のボーナスの平均妥結額は809,604円という結果となりました。昨年同季の実績は790,468円でしたので、4.17%のプラスとなっています。ただ震災の影響で労使交渉が遅れている企業が多く、今後は先行き不透明感から妥結額の水準も徐々に低下することも予想されます。

 なお、これを業種別に見ると、製造業の平均は818,853円(前年同季比5.44%プラス)、非製造業の平均は775,208円(同0.55%マイナス)となっています。


関連blog記事
2011年5月6日「東証第1部上場企業の2011年夏季賞与平均は688,146円で2年連続プラス」
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/archives/51843572.html
2011年4月18日「賞与算定における考課査定分の割合 管理職は51.4%、非管理職でも32.4%」
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2010年12月25日「都内労働組合の冬季賞与平均妥結額は704,809円と前年比0.84%のマイナス」
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/archives/51808989.html
2010年12月18日「日本経団連調査による大企業冬季一時金の最終集計結果は2.52%プラスの774,654円」
https://roumu.com
/archives/51808124.html

参考リンク
日本経団連「2011年夏季賞与・一時金 大手企業業種別妥結状況(第1回集計:2011年5月18日)」
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2011/050.pdf

(大津章敬)

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