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日経連調査の中小企業賃上げの平均金額は3,808円(1.50%)

中小企業賃上げの平均金額は3,808円(1.50%) 2010年5月13日のブログ記事「中小企業の賃上げ 連合第4回集計では3,841円(1.52%)」では、連合調査による今春の中小企業の賃上げに関する集計結果をご紹介しましたが、本日は日本経団連が5月21日現在で集計した「2010年春季労使交渉・中小企業業種別回答一覧」の結果について取り上げましょう。この調査の対象は、原則として従業員数500人未満の17業種752社で、今回は回答が出ている企業のうち、平均金額が集計可能は243社の結果を集計したもの。


 これによれば今春の中小企業の賃上げは全業種系金で3,808円(1.50%)という結果になっています。昨年実績は3,651円(1.42%)でしたので、連合の調査と同様、昨年よりは若干の改善が見られていています。これを業種別に見ると、製造業の平均は4,156円(1.59%)、非製造業の平均は3,023円(1.26%)となっています。



関連blog記事
2010年5月13日「中小企業の賃上げ 連合第4回集計では3,841円(1.52%)」
https://roumu.com
/archives/51734809.html
2010年5月4日「今春の新卒初任給は96.6%の企業で前年据え置き」
https://roumu.com
/archives/51731583.html
2010年5月2日「日本経団連の2010年大手企業賃上げ調査 第二次集計結果は5,838円(1.81%)」
https://roumu.com
/archives/51731580.html
2010年4月28日「日本経団連の2010年中小企業賃上げ調査 第1回集計結果は4,028円(1.54%)」
https://roumu.com
/archives/51728233.html


参考リンク
日本経団連「2010年春季労使交渉・中小企業業種別回答一覧[了承・妥結含](第2回集計:2010年5月21日現在)」
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2010/045.pdf


(大津章敬)


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[ワンポイント講座]労働災害により療養している従業員の解雇・退職の取扱い

 近年、労働災害の件数は減少傾向にありますが、その一方で過重労働に基づく過労死・精神障害の労災認定件数が増加しています。そのため、企業としては時間管理を徹底したり、セクハラ・パワハラに関する研修を行うなどの対策を講じることが求められています。労働災害においては療養期間が長期化することも少なくなく、会社としてどのように対応したらよいのか困ることが少なくありません。そこで、今回のワンポイント講座では、労働災害により療養している従業員の解雇・退職の取扱いについて、会社が押えておかなければならないポイントを取り上げましょう。


 そもそも解雇とは、会社から一方的に労働契約を解約することを指しています。従業員を解雇する権利は企業にありますが、労働基準法においては解雇制限と呼ばれる定めが設けられており、以下の場合においては従業員を解雇してはならないとされています。
業務上負傷し、または疾病にかかり療養のために休業する期間およびその後30日間
産前産後の女性が労働基準法第65条の規定によって休業する期間およびその後30日間


 それでは今回のテーマである労働災害により長期にわたって療養している従業員の解雇制限について考えてみましょう。労働基準法第19条の中で、労働基準法第81条の規定により打切補償を支払う場合には解雇制限の適用を受けないとされています。具体的には、療養開始後3年を経過しても負傷または疾病が治らない場合に、会社が平均賃金の1200日分の打切補償を支払うことで、解雇とすることを認めています(※天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となり、所轄労働基準監督署長の認定を受けた場合も解雇を認めています)。


 また療養が長期化した場合に定年となることがありますが、この場合、定年退職として扱うことができるのかという論点があります。定年退職とは、その年齢に達すると当然に退職になるとした労使の合意に基づく労働契約の解消事由であるため、定年退職と解雇とは法的性格が異なり、定年退職については解雇制限の適用は受けません。そのため、療養中であったとしても、定年となればその日に労働契約を解消したとしても問題はないという結論になります。なお、法律上の解雇制限については、労働基準法に定めるものだけでなく、育児介護休業法や男女雇用機会均等法、労働組合法によるものがあるため、会社としてはどのような場合に解雇してはならないのか理解しておくことが求められます。



関連blog記事
2010年5月8日「[ワンポイント講座]1週間前に年次有給休暇の申請しなければ認めないという取扱いの可否」
https://roumu.com
/archives/51733256.html
2010年4月21日「[ワンポイント講座]求人募集における労働条件明示の際の留意点」
https://roumu.com
/archives/51724772.html
2010年4月7日「[ワンポイント講座]電子メール等で給与明細を交付する際のポイント」
https://roumu.com
/archives/51715614.html
2010年3月17日「[ワンポイント講座]労働関係書類を電磁的記録により保存する際の注意点」
https://roumu.com
/archives/51707930.html
2010年2月17日「[ワンポイント講座]育児休業中に介護休業の事由にも該当することとなった場合の取扱い」
https://roumu.com
/archives/51697268.html
2010年2月10日「[ワンポイント講座]傷病手当金と介護休業給付金は併給できるのか」
https://roumu.com
/archives/51694928.html
2010年1月30日「[ワンポイント講座] 転勤を拒否した社員への懲戒処分」
https://roumu.com
/archives/51689810.html


(福間みゆき)


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雇用調整助成金 様式第6号(4)-1 出向元事業所支給対象賃金補填額調書(平成22年4月1日版)

様式第6号(4)-1 出向元事業所支給対象賃金補填額調書 従業員を出向させた場合の雇用調整助成金・中小企業緊急雇用安定助成金支給申請において、様式第6号(2)-1の添付書類として提出する必要がある出向元事業所支給対象賃金補填額調書 第6号(4)-1(画像はクリックして拡大)です。
重要度 


[ダウンロード]
WORD
Word形式 shoshiki390.doc(77KB)
pdfPDF形式 shoshiki390.pdf(45KB)


[ワンポイントアドバイス]
 この書類については、出向先事業所ごとに記入することになっています。記入する項目のうち、(10)の補填された額の合計は、様式第6号(2)-1の⑧欄の合計と一致する必要があります。



関連blog記事
2010年5月19日「雇用調整助成金 様式第6号(3)出向に関する確認書(平成22年4月1日版)」
https://roumu.com/archives/55384729.html
2010年4月30日「雇用調整助成金ガイドブックが改訂 ダウンロード開始」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51729064.html
2010年5月12日「雇用調整助成金 様式第6号(1)出向支給申請書(平成22年4月1日版)」
https://roumu.com/archives/55384726.html
2010年5月5日「雇用調整助成金 様式第5号(1)休業等支給申請書(平成22年4月1日版)」
https://roumu.com/archives/55384723.html
2010年4月28日「雇用調整助成金 様式第2号(1)出向等実施計画(変更)届(平成22年4月1日版)」
https://roumu.com/archives/55382525.html
2010年4月21日「雇用調整助成金 様式第1号(1)休業等実施計画(変更)届(平成22年4月1日版)」
https://roumu.com/archives/55378708.html


(福間みゆき)


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労働基準法施行規則別表第1の2が改正されました

lb04052タイトル:労働基準法施行規則別表第1の2が改正されました
発行者:厚生労働省
発行時期:平成22月5月
ページ数:3ページ
概要:労災補償の対象疾病の範囲を定めている規定(労働基準法施行規則別表第1の2)が改正され、新たに疾病が例示されたことを詳しく解説したリーフレット
Downloadはこちらから(186KB)
http://www.lcgjapan.com/pdf/lb04052.pdf



関連blog記事
2009年7月21日「精神障害等の労災補償について」
https://roumu.com/archives/50512560.html
2009年7月20日「脳・心臓疾患の労災認定-「過労死」と労災保険-」
https://roumu.com/archives/50512559.html
2009年7月17日「長時間労働者への医師により面接指導制度について」
https://roumu.com/archives/50509024.html
2009年6月13日「高水準で推移する過重労働に基づく過労死・精神障害の労災認定件数」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51569629.html

参考リンク
厚生労働省「平成20年度における脳・心臓疾患及び精神障害等に係る労災補償状況について」
http://www-bm.mhlw.go.jp/houdou/2009/06/h0608-1.html


(福間みゆき)


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経産省と日本商工会議所が開始する中小企業の人材採用支援プロジェクト

DREAM-MATCH PROJECT 各経済団体から発表される夏季賞与額の調査を見ても、昨年と比較しわずかながら増加という結果が出ており、大企業の業績については最悪期を脱しつつあるという感を受けます。しかし一方で、2010年5月5日のブログ記事「中小では高止まりするも大企業では減少が著しい雇用調整助成金の対象者数」で取り上げたとおり、中小企業では雇用調整助成金(中小企業緊急雇用助成金)の申請件数は高止まりしており、状況の改善にはまだ時間がかかりそうです。


 このような不況下では、新卒学卒者や既卒者(以下、「新卒者等」という)の内定率の低下が大きな問題となっていますが、その背景にはミスマッチが大きくなっているという実態が見られます。このような不況下であるからこそ優秀な人材の採用を目指す中小企業がある一方で、新卒者等は安定した大企業に就職を希望するため、就職活動が激化し、結果として内定率がなかなか改善しないというわけです。


 このような状況を少しでも改善するために経済産業省が5月18日から「DREAM-MATCH PROJECT(ドリーム・マッチ プロジェクト)」を開始しました。これは経済産業省の補助を受け、中小企業の人材確保・育成支援を行っている日本商工会議所が、新卒者等の採用に苦戦する中小企業と学生等をマッチングさせるプロジェクトです。具体的には、求人開拓、企業の魅力発掘等を日本商工会議所が採用支援会社に委託し、求人企業の発掘、採用活動の支援、求人企業、学生向けセミナーの開催を実施し中小企業等による求人と求職のマッチングを図るというものです。すでに専用のサイトがオープンしており、新卒者等のプレ会員登録および支援を希望する企業が詳細資料を請求できるようになっています。今後の支援の流れとしては、企業が求人情報と面談予定日をWEBに登録し、委託先が学生との面談を設定するほか、学生・企業に、サービスの活用方法等のアドバイスをメールや電話で行うことになっています。8月以降には全国7ヶ所(札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡)で合同企業説明会が開催され、本格的な活動が行われます。


 過去にも何度も繰り返してきたとおり、景気の回復期には中小企業が新卒者等を採用するのはなかなか難しい状況が見られます。いまのような状況だからこそ、優秀な新卒者を採用しようと考える企業にとっては是非活用したいプロジェクトではないでしょうか。



関連blog記事
2010年5月20日「日本経団連調査による大企業夏季一時金の第一回集計結果は1.51%プラスの790,468円」
https://roumu.com
/archives/51738380.html
2010年5月16日「連合調査による夏季賞与の平均回答額は633,966円と微増」
https://roumu.com
/archives/51736763.html
2010年5月14日「今年の夏季賞与 東証一部上場企業の平均は前年比2.4%プラスの662,832円」
https://roumu.com
/archives/51734831.html
2010年5月5日「中小では高止まりするも大企業では減少が著しい雇用調整助成金の対象者数」
https://roumu.com
/archives/51731584.html


参考リンク
経済産業省「中小企業採用力強化事業~DREAM-MATCH PROJECT~の開始について」
http://www.meti.go.jp/press/20100518002/20100518002.html
DREAM-MATCH PROJECT(ドリーム・マッチ プロジェクト)
http://dream-match.jp


(宮武貴美)

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雇用調整助成金 口蹄疫被害拡大に伴う事業活動縮小にも適用拡大

 家畜伝染病である口蹄疫の問題は宮崎県内に止まらず、わが国の畜産業界全体にも大きな影響を与える大問題となってきています。そこで厚生労働省では、雇用調整助成金(中小企業緊急雇用安定助成金を含む)を口蹄疫被害拡大に伴う経済上の理由で事業活動が縮小した場合についても利用することができるように制度を改正しました。


 これまでも新型インフルエンザの拡大の際に同様の対応を行なわれたことがありましたが、今回も以下のような場合に雇用調整助成金を活用することができます。
口蹄疫の感染により、大量の家畜の殺処分が行われたため、家畜や食肉の解体・加工・運搬を行う事業所や、畜舎の各種設備の施工・保守を行う事業所の事業活動が縮小した場合。
口蹄疫発生農場周辺における移動制限・搬出制限に伴い、発生農場周辺の飲食店の来客数が減少したことにより、事業活動が縮小した場合。
移動制限・搬出制限が解除された後においても、新たに家畜が購入できない等口蹄疫被害前の規模で事業を再開できない事情があり、これに伴い事業活動が縮小した場合。
家畜の大量殺処分により、飲食店等において牛肉・豚肉の入手が困難になり、結果的に売上高が減少した場合。


 なお、口蹄疫被害を直接的な理由とした畜産農家の事業活動の縮小については本助成金の対象にならないなど、助成金の支給に当たっては、いくつか要件がありますので、詳細についてはお近くの労働局又はハローワークにお問い合わせください。



関連blog記事
2010年4月9日「4月より変更されている雇用調整助成金における教育訓練の申請方法」
https://roumu.com
/archives/51719472.html
2010年4月8日「平成22年4月より教育訓練の実施に係る取扱いを変更(雇用調整助成金)」
http://blog.livedoor.jp/leafletbank/archives/50843410.html
2010年3月31日「雇用調整助成金の不正受給調査が4月から強化されます」
https://roumu.com
/archives/51715834.html
2010年1月25日「雇用調整助成金を1年を超え、引続き申請する場合の注意点」
https://roumu.com
/archives/51687759.html
2009年12月17日「雇用調整助成金を新規もしくは13ヶ月目に申請する際の添付書類の注意点」
https://roumu.com
/archives/51667504.html
2009年12月11日「12月に要件緩和された雇用調整助成金の最新リーフレット ダウンロード開始」
https://roumu.com
/archives/51664654.html
2009年12月03日「雇用調整助成金の生産量要件が緩和されました」
https://roumu.com
/archives/51660362.html


参考リンク
厚生労働省「口蹄疫被害拡大に伴う経済上の理由により事業活動が縮小した場合、雇用調整助成金が利用できます」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000006g4b.html
農林水産省「口蹄疫発生に伴う経済的支援」
http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/katiku_yobo/k_fmd/taisaku.html
厚生労働省「都道府県労働局所在地一覧」
http://www.mhlw.go.jp/general/sosiki/chihou/index.html


(大津章敬)



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意外に多い「単価計算ミス」による未払い残業代の発生

 前回のブログ記事「未払い残業代請求問題というのはどのようなものですか?」では、これから大きな社会的問題になることが懸念されている未払い残業代請求問題の概要について取り上げた。大熊は服部社長の要望を受け、この具体的内容について、もう少し掘り下げて説明することとした。



大熊社労士:
 未払い残業代というと、まったく残業代を支払っていないであるとか、例えば月間30時間分まででカットしているような例を想定することが多いのではないでしょうか?
宮田部長宮田部長:
 そうですね。お恥ずかしい限りですが、当社もかつては毎月30時間で残業代をカットしていましたから…(2007年1月3日のブログ記事「サービス残業で4,000万円?!」を参照)。いまでもかつての当社と同様の会社は多いのでしょうね。
大熊社労士:
 そうでしたね。あのときに改善されたので御社では大きな問題はもうないはずです。しかし、世間ではまだまだそのような取扱いをしている会社も少なくありません。そうした会社は今後、これまでより更に大きなリスクを抱えることになるでしょう。
服部社長:
 そうですね。当社はあのときに制度改定を行っておいて良かったと思いますよ。正直なところ、人件費が増えてしまったため、若干厳しい面もあったのですが、結果的には正しい選択をしたと思っています。あれを契機に業務生産性を高めようという機運も高まりましたから。
大熊社労士:
 ありがとうございます。そのように考えて頂けるのは、顧問社労士として本当にありがたいです。時間外割増賃金をそもそも支給していないような会社は法的にはどうしようもない訳ですが、きちんと支給しているという会社でも実際に状況を確認してみると、細かいところでいろいろと未払いをしてしまっている例があるのです。もっとも分かりやすいのが時間外割増賃金の単価計算が間違っているというパターンでしょう。以前もお話させて頂いてはおりますが、改めて時間外割増賃金の時間単価の計算方法について解説します。
服部社長:
 はい、説明いただいてからかなり経っていますので、もう一度お願いします。
大熊社労士:
 分かりました。時間外割増賃金の時間単価の計算は、「対象賃金÷月平均所定労働時間×割増率」という計算式に基づき行ないます。まずの対象賃金ですが、原則として「通常の労働時間または労働日」に支払われるすべての賃金がその対象となります。企業によっては基本給だけを対象として時間外割増賃金を計算している例がありますが、これでは法が定めるよりも低い単価になってしまうため、結果として未払い残業代が発生してしまうのです。
服部社長:
 なるほど。これだと経営者が無意識のままに未払いを起こしていることもありそうですね。
大熊社労士:
 ほんとうにそうですね。
宮田部長:
 先生、時間外割増賃金の計算ですが、確か対象賃金から抜くことができる手当が決められているのではなかったでしょうか?
大熊社労士大熊社労士:
 はい、よく覚えていただけていましたね。ありがとうございます。原則は「通常の労働時間または労働日」に支払われるすべての賃金がその対象となりますが、そこから(1)家族手当、(2)通勤手当、(3)別居手当、(4)子女教育手当、(5)住宅手当、(6)臨時に支払われる賃金、(7)1カ月を超える期間ごとに支払われる賃金は除外してもよいとされています。
宮田部長:
 逆の言い方をすれば、この7つの手当等以外の賃金については名称の如何を問わず、時間外手当の対象賃金に算入する必要があるということですね。
大熊社労士:
 はい、歩合給などの計算においては少し特殊な計算方法が用いられることがありますが、基本的にはそのような理解で構いません。ここでよく問題になるのが住宅手当の取扱いです。世間では「賃貸住宅に居住する世帯主である者について一律20,000円の住宅手当を支給する」というような例が多く見られますが、実はこのような決め方をされている住宅手当は、時間外割増賃金の対象賃金から除外することはできないとされているので注意が必要です。
服部社長:
 住宅手当は時間外割増賃金の対象賃金から除外できるのですよね?手当の設定方法によっては除外できないこともあるということでしょうか?
大熊社労士:
 そのとおりです。この点については通達でその基準が定められています。まずはその該当部分を見てみましょう。



イ 割増賃金の基礎から除外される住宅手当とは、住宅に要する費用に応じて算定される手当をいうものであり、手当の名称の如何を問わず実質によって取り扱うこと。
ロ 住宅に要する費用とは、賃貸住宅については、居住に必要な住宅(これに付随する設備等を含む。以下同じ。)の賃貸のために必要な費用、持家については、居住に必要な住宅の購入、管理等のために必要な費用をいうものであること。
ハ 費用に応じた算定とは、費用に定率を乗じた額とすることや、費用を段階的に区分し費用が増えるにしたがって額を多くすることをいうものであること。
ニ 住宅に要する費用以外の費用に応じて算定される手当や、住宅に要する費用に関わらず一律に定額で支給される手当は、本条の住宅手当に当たらないものであること。



 時間外割増賃金の基礎から除外できる住宅手当についてはこのような細かい条件が定められています。具体的には住宅に要する費用に応じて算定されるものでなければならないとされていますので、先ほどの例のように「賃貸住宅に居住する世帯主である者について一律20,000円」という住宅手当では除外できないのです。
宮田部長:
 なるほど。いろいろ細かいルールがあるのですね。普通に法律を読むだけだと問題には思えませんから、知らず知らずのうちに未払い残業を発生させてしまっているような例は相当あるのでしょうね。
大熊社労士:
 まったく同感です。次に時間外割増賃金計算の分母に当る月平均所定労働時間ですが、こちらは通常、年間所定労働日数×1日の所定労働時間÷12ヶ月という計算式で算出します。これだけだと分かりにくいので例を挙げましょう。年間休日110日で、1日の所定労働時間が8時間というよくありそうな例で考えてみると、この会社の年間所定労働日数は365日-110日で255日となります。よって月平均所定労働時間は255日×8時間÷12ヶ月で170時間となるのです。この計算をしっかり行なっていない会社が結構多いのです。
宮田部長:
 当社もかつてはそこまで厳密に計算していませんでしたから、偉そうなことはいえません(苦笑)。
大熊社労士:
 特に古い就業規則のまま改定していない会社ですと、この月平均所定労働時間を200時間で計算しているような例が少なくありません。計算式において分母が大きいということは最終的に導き出される単価は、本来の金額よりも少なくなってしまいますから、ここで未払い残業代が発生してしまうのです。
服部社長服部社長:
 なるほど。これも専門的な知識を持った人が客観的にチェックしないとなかなか見つからないかも知れませんね。会社内の実務は従来から行なっている方法をそのまま受け継いでいることが多いですからね。
大熊社労士:
 そうですね。今回は時間外割増単価の計算ミスによる未払い残業代の発生という問題をお話しましたが、これ以外にも未払いが発生するいくつかの典型的パターンがありますので、また次回以降にお話したいと思います。


>>>to be continued


[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
大熊社労士のワンポイントアドバイス こんにちは、大熊です。今回は未払い残業代問題のうち、時間外割増賃金の計算ミスの事例を取り上げました。このように違法性の認識がない中でも厳密には未払いが発生しているという例は非常に多く見られます。来週以降もその典型的なパターンについて解説していきますので、自社の取扱いに問題がないかチェックして行ってください。それでは次週以降をお楽しみに。



愛知・岐阜・三重の9会場で未払い残業代請求問題の無料セミナーを開催!
 名南経営では、5月25日の岡崎会場より、愛知・岐阜・三重の9会場で未払い残業代請求問題の無料セミナーを開催します。日程は以下のとおりですので、この機会に是非ご参加をお待ちしております。
(1)岡崎 5月25日(火)岡崎商工会議所
(2)半田 5月27日(木)半田商工会議所
(3)一宮 6月1日(火)一宮商工会議所
(4)豊橋 6月4日(金)豊橋市民センター
(5)豊田 6月10日(木)豊田産業文化センター
(6)多治見 6月11日(金)多治見市産業文化センター
(7)岐阜 6月15日(火)岐阜商工会議所
(8)津会場 6月17日(木)津商工会議所
(9)名古屋 6月22日(火)ウインクあいち
※詳細および申込みは以下よりお願いします。
https://roumu.com/seminar/seminar_mibarai2.html



関連blog記事
2010年5月17日「未払い残業代請求問題というのはどのようなものですか?」
https://roumu.com/archives/65357072.html
2007年1月25日「出張のときの労働時間はどう考えるの?」
https://roumu.com/archives/51814139.html
2007年1月22日「営業職には時間外手当は必要ないと思っていました」
https://roumu.com/archives/51779478.html
2007年1月16日「課長以上は全員管理監督者ではないの?」
https://roumu.com/archives/51638846.html
2007年1月10日「時間外手当の割増率を確認しましょう!」
https://roumu.com/archives/51522636.html
2007年1月5日「これが正しい時間外手当の計算方法なんです!」
https://roumu.com/archives/51418602.html
2007年1月3日「サービス残業で4,000万円?!」
https://roumu.com/archives/51265136.html


(大津章敬)


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改正労働基準法のあらまし(平成22年5月20日更新版)

lb01272タイトル:改正労働基準法のあらまし
発行者:厚生労働省
発行時期:平成21年10月
ページ数:50ページ
概要:平成22年4月より施行された改正労働基準法の内容や趣旨を詳しく解説したリーフレット(平成22年5月20日更新版)
Downloadはこちらから(1.19MB)
http://www.lcgjapan.com/pdf/lb01272.pdf



関連blog記事
2009年8月21日「改正労働基準法のポイント」
https://roumu.com/archives/50521596.html

2009年7月1日「[改正労基法](15)時間単位年休取得時に支払う賃金」

http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51579713.html
2009年6月30日「[改正労基法](14)時間単位年休を計画的付与に組み込むことは可能か?」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51579708.html
2009年6月29日「[改正労基法](13)時間単位年休と時季変更権行使」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51575381.html
2009年6月26日「[改正労基法](12)時間単位年休の取得単位」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51575372.html
2009年6月25日「[改正労基法](11)時間単位年休の1日の時間数の考え方」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51574128.html
2009年6月24日「[改正労基法](10)時間単位で年休付与日数と翌年度に繰り越す場合の注意点」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51574127.html
2009年6月23日「[改正労基法](9)代替休暇を取得できなかった場合の対応」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51574122.html
2009年6月22日「[改正労基法](8)代替休暇取得の意向確認」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51574115.html
2009年6月19日「[改正労基法](7)代替休暇における「半日単位」の実務的取扱い」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51572531.html
2009年6月18日「[改正労基法](6)代替休暇の時間数の算定」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51572516.html
2009年6月17日「[改正労基法](5)代替休暇の付与単位と取得期間」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51570839.html
2009年6月16日「[改正労基法](4)引上げ分の割増賃金の支払に代えた代替休暇の付与要件」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51570771.html
2009年6月15日「[改正労基法](3)特別条項付きの三六協定で新たに定めなければならない項目」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51570735.html
2009年6月11日「[改正労基法](2)法定割増賃金率引上げが猶予される中小企業とは」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51568433.html
2009年6月10日「[改正労基法](1)法定割増賃金率引き上げと所定休日労働の関連」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51567812.html
2009年6月8日「改正労働基準法の施行にかかる通達・省令・告示が発出」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51565876.html

参考リンク
厚生労働省「労働基準法が改正されます(平成22年4月1日施行)」
http://www.mhlw.go.jp/topics/2008/12/tp1216-1.html


(福間みゆき)

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平成22年度の労働保険年度更新にかかる各種パンフレットが公開されています

労働保険年度更新にかかる各種パンフレット 労働保険の年度更新手続きは、平成21年度より従来の「4月1日から5月20日まで」から「6月1日から7月10日まで」に変更されました。平成22年度は曜日の関係で6月1日から7月12日までとなっていますが、企業の人事総務担当者にとっては年度初めの新入社員受入や研修の時期からずれて多少余裕が出てきているかと思われます。


 各都道府県労働局からの申告書の送付も2ヶ月程度遅くなっていますが、それに同封されるパンフレット等については、既に厚生労働省のホームページでダウンロードできるようになっています。6ヶ月の後半になると、社会保険の算定基礎届の作成時期と重なってきますので、今のうちにこれらの資料を参考に平成21年度の賃金集計等は行っておきたいものです。


[ダウンロードできるパンフレット等はこちら]
平成22年度 事業主のみなさまへ 労働保険の年度更新手続について
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/hoken/100414-1.html
平成22年度 労働保険事務組合のみなさまへ 労働保険の年度更新手続について
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/hoken/100414-2.html
労働保険関係各種様式
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudouhoken01/yousiki.html



関連blog記事
2010年5月10日「労働保険料の対象となる賃金の範囲について教えてください」
http://blog.livedoor.jp/ookumablog/archives/65353584.html


参考リンク
厚生労働省「平成22年度の労働保険の年度更新手続等について」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudouhoken01/tetsuzuki.html
厚生労働省「労働保険制度(制度紹介・手続き案内)」
http://www2.mhlw.go.jp/topics/seido/daijin/hoken/980916_1.htm


(宮武貴美)

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6月8日「具体的事例に学ぶ解雇・退職トラブルへの企業の対応策」セミナー(名古屋)専門家の皆様も受付開始

具体的事例に学ぶ解雇・退職トラブルへの企業の対応策 いつの時代も解雇や雇止めは労働トラブルの最大の原因でありますが、近年は従業員の権利意識の向上や雇用形態の多様化によってその問題は更に深刻化かつ複雑化しています。例えば、業績悪化による人員削減を行う場合、継続雇用制度により雇用が保障されている60歳以降の嘱託従業員や育児休業者をどのように扱えばよいのかなど、従来にはなかった様々な論点が存在し、教科書どおりには進められない事例が急増しています。そこで名南経営では今回、労働問題を専門とされている西脇法律事務所の西脇明典弁護士を講師にお招きして、この問題に関するセミナーを開催します。具体例に基づく分かりやすい講義となっておりますので、是非、ご参加下さい。


[専門家のみなさまの参加を15名限定で受け付けます]
 本セミナーは一般企業向けの内容のため、これまで社会保険労務士など専門家のみなさまのお申込みはご遠慮いただいておりましたが、多くのご要望にお応えし、15名様限定で受け付けさせて頂くこととしました。是非ご参加下さい。


[セミナーのポイント]
□能力不足・適性不足の社員を普通解雇する際の注意点
□試用期間中の従業員の本採用取消しと解雇の妥当性
□長期間雇用している有期雇用従業員の雇止めにおける注意点
□景気悪化に伴う高齢者や育児休業中の従業員の解雇
□人員削減における希望退職・退職勧奨実施の際の注意点
□最近の整理解雇を巡る労働判例の動向 など
 
[セミナー開催概要]
日時および会場
平成22年6月8日(火)午後1時30分~午後4時30分
 ウインクあいち 特別会議室1301(名古屋駅)
受講料 10,000円(税込)
※名南コンサルティングネットワーク顧問先様およびMBC特別会員様は1社2名様まで無料でご招待
対 象 企業の経営者および人事労務担当のみなさま
定 員 60名


[詳細およびお申込み]
 本セミナーの詳細およびお申込みは以下よりお願いします。
https://roumu.com/seminar/seminar20100608.html


(大津章敬)


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