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障害者雇用情報把握に関する協力のお願い

障害者雇用情報把握に関する協力のお願い 採用決定後の障害者に対し、障害に関する情報を収集するための協力依頼書式(画像はクリックして拡大)です。
重要度 
官公庁への届出:特になし
法定保存期間:特になし

[ダウンロード]
word
Word形式 syougaijoho_kyouryoku_irai.doc(28KB)
pdfPDF形式 syougaijoho_kyouryoku_irai.pdf(14KB)

[ワンポイントアドバイス]
 採用決定後に障害に関する情報を収集する際には、その情報の取扱いに十分に配慮する必要があります。このような協力依頼書式を利用し、利用目的を明示することで、障害者の了承を得ておくことが求められるでしょう。なお、障害者雇用状況報告等は都道府県によって報告期間が異なりますので、確認の上、修正・利用してください。


関連blog記事
2008年8月8日「把握しておきたい「プライバシーに配慮した障害者の把握・確認ガイドライン」」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51387256.html

 

(宮武貴美)

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雇用保険被保険者離職票記載内容補正願

雇用保険被保険者離職票記載内容補正願 発行済の離職票の記載内容の訂正や取得・喪失の訂正を行う場合に提出する書式(画像はクリックして拡大)です。
重要度 
官公庁への届出:必要(公共職業安定所)
法定保存期間:特になし

[ダウンロード]
wordWord形式 risyokuhyou_hoseinegai.doc(42KB)
pdfPDF形式 risyokuhyou_hoseinegai.doc(29KB)

[ワンポイントアドバイス]
 データ訂正が必要な場合は「訂正・取消願」もあわせて必要です。この書式は各公共職業安定所により若干違いがあるようですので、事前に管轄の公共職業安定所までお問い合わせいただいた方がよいでしょう。


関連blog記事
2008年8月8日「同居の親族雇用実態証明書(雇用保険)」
https://roumu.com/archives/55115454.html
2008年8月6日「新旧事業実態証明書」
https://roumu.com/archives/55112463.html
2008年8月4日「雇用継続給付関係各種通知書等再作成・再交付申請書(提出用)」
https://roumu.com/archives/55112461.html
2008年7月25日「改印届(雇用保険)」
https://roumu.com/archives/55102641.html
2008年7月23日「労働保険関係届出書訂正・取消願」
https://roumu.com/archives/55102637.html
2007年10月9日「事業所別被保険者台帳提供依頼書(雇用保険)」
https://roumu.com/archives/cat_50087766.html
2007年7月2日「雇用保険の取得・喪失漏れを防止する方法」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51010200.html

 

(宮武貴美)

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パワハラと注意指導との境目はどこですか?

 大熊はあるお客様を訪問後、時間の余裕もあったので、電話連絡を入れた上で、服部印刷に立ち寄ることにした。実は、先週相談のあった無断欠勤者が、パワハラが原因かもしれないということが気になっていた。



大熊社労士:
 先週ご相談のあった無断欠勤した社員は、どうなりましたか?
宮田部長宮田部長:
 ご心配をおかけしましたが、大熊さんに相談した日に本人と会うことができ、その翌日から職場に出てきて働いています。一時は、パワハラが原因で大きな問題になるのではないかと心配しましたが、違ったようです。上司から叱責を受けた当日は、本人もかなり落ち込んでいましたのは確かですが、無断欠勤はここのところの猛暑で体調が悪くなり、寝込んでいたようです。連絡を取らなければならないと思いつつも、気づいたときは既に昼近くになっていたので、連絡しにくかったようです。この件は注意しましたし、本人も反省しています。
大熊社労士:
 そうですか、それはよかった。
服部社長服部社長:
 しかし、最近パワハラだとか職場でのいじめが問題になっているようなことを耳にするようになりました。これまでは気にも止めていませんでしたが、わが社でも注意しなければならないように思います。ところで、なんとなく分かっているつもりですが、パワハラについて改めて教えていただけませんか?
大熊社労士:
 はい、パワハラとは、職権などのパワーを背景にして、本来の業務の範疇を超えて、継続的に人格と尊厳を侵害する言動を行い、就業者の就労関係を悪化させ、あるいは雇用不安を与えること、とされています。
宮田部長:
 難しくてすぐには理解できませんが、そもそも上司と部下との関係は、指揮命令を前提にしていますよね。そう考えると職権を使うこととパワハラとの関係がよく分からないのですが。
大熊社労士:
 おっしゃられるように、上司と部下との関係は、指揮命令を前提とした関係にあるため、パワハラとの境界は曖昧なものとならざるを得ません。例えば、部下の失敗に対して叱責すること自体は本来、問題ないはずです。
服部社長:
 しかし、叱責を受けた部下が、パワハラだと受け取ってしまうこともありますよね。それはどのように考えたらよいでしょう?
大熊社労士:
 部下に対して叱責する必要があっても、部下の人格や尊厳を傷つけてもよいということにはなりませんし、そのようなことまで上司に許されてはいません。
服部社長:
 具体的な例としては、必要以上に大声で怒鳴り散らすなど程度が過ぎる場合は、パワハラにあたるということでしょうか?
大熊社労士大熊社労士:
 パワハラに該当するか否かの考え方ですが、まず上司の指導や注意、叱責などの行為が、「職務と関係あるものか、あるいは業務上必要なものか」によって判断します。職務に関係ない、あるいは業務上必要ない行為であればパワハラに該当する可能性があります。次に、職務に関係があり、あるいは業務上の必要性がある場合であっても、その行為が「職務や業務上一般的に必要とされる範囲を逸脱しているか」について判断します。適度な指導や注意、叱責なら問題ありませんが、必要以上に大声で怒鳴り散らすなど度が過ぎる行為であればパワハラに該当する可能性があるでしょう。
宮田部長:
 私は若いとき、厳しい上司から毎日のようにひどく怒鳴られましたが、最近の若い社員の中には家庭でさえも叱られたことがない者もいるようです。時代のギャップを強く感じますが、注意や叱責を受ける社員の受け取り方、感じ方によってもパワハラのとらえ方が違うでしょうから難しくなりました。
大熊社労士:
 そうですね、ある程度、常識的な判断によらざるを得ませんが、先ほど説明した2点を念頭において対応してください。注意や叱責以外にも、身体や容姿の特徴を用いて人格を否定するような発言をしたり、仕事の失敗や実績の低さを執拗に追及する、または勤務外の時間に無理矢理飲み会等につき合わせることなどもパワハラにあたる可能性がありますので、注意が必要です。


>>>to be continued


[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
大熊社労士のワンポイントアドバイス こんにちは、大熊です。前回に引き続き、パワー・ハラスメント(パワハラ)について取り上げてみました。パワハラが業務に関連して行われた場合、パワハラの行為者が企業の従業員であるときには、企業は同人が行った不法行為の責任を負わなければなりません。これは使用者責任といわれ、使用者が不法行為防止のために必要な監督責任を尽くしている場合には免責されるのですが、監督責任を尽くしたという立証が非常に困難なため、事実上使用者責任を免れることができないといわれています。また、パワハラを受けた被害者が、企業従業員であるときには、企業は同人に対する労働契約上の債務不履行責任を負う場合があります。これは、従業員に対し、健康的で、安全で、かつ働きやすい職場環境を提供、維持する義務、いわゆる職場環境配慮義務を負うとされ、これに違反したときには債務不履行責任が認められることがあります。企業においては、この両方の視点から、パワハラ防止に向けて対策を講じる必要があります。


 ハラスメント問題に関しては、名南経営の社会保険労務士 鷹取敏昭が8月26日に「パワハラ・セクハラ その現状と企業に求められる実務対策」セミナーを開催します(豊田市)。是非ご参加ください。
https://www.meinan.net/seminar/20080826rout.html



関連blog記事
2008年8月4日「同僚の前でひどく怒鳴ってしまった、これはパワハラになるのでしょうか?」
https://roumu.com/archives/64948552.html
2007年12月19日「多くの職場で見られる「いじめ」の実態」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51200561.html
2007年10月14日「組織を悩ますコミュニケーション下手の増加」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51113496.html
2007年05月04日「7割以上の社員が管理職へのパワハラ研修の実施を要望」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/50959952.html
2005年05月21日「労働相談内容に関する東京都産業労働局の調査結果とパワハラの増加」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/22468148.html


参考リンク
社団法人産業カウンセラー協会「産業カウンセラー440 人が見る職場/悲惨さ増す「職場のいじめ」の実態」
http://www.counselor.or.jp/pdfs/071212.pdf


(鷹取敏昭)


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依然として増加傾向にある企業における「心の病」

依然として増加傾向にある企業における「心の病」 先日、財団法人社会経済生産性本部より「『メンタルヘルスの取り組み』に関する企業アンケート調査結果」という資料が発表されました。これは全国の上場企業2,368社を対象にメンタルヘルスの状況および取り組みについて調査したもの。2002年、2004年、2006年に続き、4回目の調査になりますが、前回に引き続き依然として増加傾向であることが明確になっていますので、そのポイントをご紹介しましょう。


心の病の増減傾向
 最近3年間における「心の病」は56.1%の企業が「増加傾向」と回答しました。前回調査の61.5%より低下したものの、依然として半数を超える高い水準に留まっています。
 2008年:増加傾向(56.1%) 横ばい(32.0%) 減少傾向(4.5%)
 2006年:増加傾向(61.5%) 横ばい(29.4%) 減少傾向(1.8%)
 2004年:増加傾向(58.2%) 横ばい(25.0%) 減少傾向(1.9%)
 2002年:増加傾向(48.9%) 横ばい(24.8%) 減少傾向(3.5%)


心の病の最も多い年齢層
 次に心の病の最も多い年齢層の質問については、年齢別にみると約6割(59.9%)の企業が30代に心の病が最も多いと回答しています。この傾向は、前回の調査と似通っています。
 2008年:10~20代(10.8%) 30代(59.9%) 40代(21.9%) 50代以上(3.0%)
 2006年:10~20代(11.5%) 30代(61.0%) 40代(19.3%) 50代以上(1.8%)
 2004年:10~20代(10.4%) 30代(49.3%) 40代(22.0%) 50代以上(5.6%)
 2002年:10~20代(13.1%) 30代(41.8%) 40代(27.0%) 50代以上(9.6%)


健康づくりで力を入れている施策
 健康づくり施策の中で力を入れているものを回答では、「定期健康診断の完全実施」(71.7%)、がトップとなったが、次いで「メンタルヘルスに関する対策」(63.9%)が挙げられており、メンタルヘルスに関する施策に力を入れる企業が増加していることがわかります。なお、この数値は2002年の2倍近い値となっています(グラフはクリックして拡大)。
 定期健康診断の完全実施    71.7%
 メンタルヘルスに関する対策  63.9%
 定期健康診断の事後措置    58.4%
 人間ドックの実施、充実    20.1%
 職場の喫煙対策        20.4%
 健康教育、相談指導      18.6%
 職場環境の整備           0%


取り組みを通じて期待している内容
 メンタルヘルス施策を通じて企業が期待している主な内容は、不調者の早期発見、不調者に適切な対応ができることなどがあがっています。
 不調者が早期に発見できる         78.4%
 不調者に適切な対応ができる        71.0%
 休職者の復職が適切に支援できる      57.2%
 従業員の活力が高まり、生産性が向上する  51.7%
 従業員の健康が各職場で常に尊重される   39.8%
 労災、事故等が未然に予防される      38.3%
 組織・仕事の体制でストレスの対処を図れる 37.9%
 職場で何でも話し合える風土が出来る    32.0%
 職場で互いに学び、理解し合う風土が出来る 23.%
 その他                  2.9%


 メンタルヘルス対策については、以前は事後の対策が中心となっていましたが、から考えても、事前の予防に力を入れる企業が増えていることが分かります。今後、この事前の対策の効果が表れてくることが1の結果に反映されることが期待されているといえるでしょう。



関連blog記事
2008年5月29日「過重労働に基づく過労死・精神障害の労災認定件数が過去最高を記録」
https://roumu.com
/archives/51338576.html

2008年5月21日「過去3年間に56.1%の企業で精神疾患の発症例あり」
https://roumu.com
/archives/51332893.html

2008年5月9日「7割超の企業でメンタルヘルスによる休職者の半分以上が完全復帰」
https://roumu.com
/archives/51320761.html

2008年4月14日「メンタルヘルス不全による国家公務員の休職者は5年で約3倍に」
https://roumu.com
/archives/51305034.html

2008年3月19日「63.1%の企業で管理職向けメンタルヘルス教育を実施」
https://roumu.com
/archives/51283397.html

2007年12月18日「深刻化するメンタルヘルス問題:心の不調に気づくポイント」
https://roumu.com
/archives/cat_1294176.html

2007年11月27日「公的機関等が提供するメンタルヘルス相談機関」
https://roumu.com
/archives/cat_1294176.html

2007年11月23日「激増するメンタルヘルスに関する労働相談」
https://roumu.com
/archives/51169065.html

2007年10月19日「具体的対応が遅れるメンタルヘルス対策」
https://roumu.com
/archives/51131807.html

2007年6月15日「うつ病等のメンタルヘルス不全者への医療費助成」
https://roumu.com
/archives/50994157.html

2007年4月13日「深刻化する企業のメンタルヘルス問題」
https://roumu.com
/archives/50942271.html

2006年7月28日「年々深刻化する企業のメンタルヘルス問題」
https://roumu.com
/archives/50664577.html


参考リンク
社会経済生産性本部「『メンタルヘルスの取り組み』に関する企業アンケート調査結果」
http://activity.jpc-sed.or.jp/detail/mhr/activity000873.html


(宮武貴美)


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同居の親族雇用実態証明書(雇用保険)

同居の親族雇用実態証明書(雇用保険) 親族従業員に係る雇用保険の資格取得届を提出する書式(画像はクリックして拡大)です。
重要度 
官公庁への届出:必要(公共職業安定所に依頼)
法定保存期間:特になし

[ダウンロード]
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Word形式 doukyo_shinzoku_shoumei.doc(40KB)
pdfPDF形式 doukyo_shinzoku_shoumei.pdf(17KB)

[ワンポイントアドバイス]
 事業主と同居の親族は原則として雇用保険の被保険者になりませんが、次のいずれにもあてはまる場合は、被保険者になります。
業務を行うにつき、事業主の指揮命令に従っていることが明確であること
就業の実態がその事業所の他の従業員と同様であり、賃金もこれに応じて支払われていること。具体的には始業・終業の時刻、休憩時間、休日、休暇および賃金の決定・計算および支払方法、締切・支払いの時期が明確に定められ、その管理が他の従業員と同様になされていること
事業主と利益を一にする地位(取締役等)にないこと

 これらの証明としてこの証明書を資格取得届に添付する必要があります。この添付の要否や書式が各公共職業安定所により若干違いがあるようですので、事前に管轄の公共職業安定所までお問い合わせいただいた方がよいでしょう。


関連blog記事
2008年8月6日「新旧事業実態証明書」
https://roumu.com/archives/55112463.html
2008年8月4日「雇用継続給付関係各種通知書等再作成・再交付申請書(提出用)」
https://roumu.com/archives/55112461.html
2008年7月25日「改印届(雇用保険)」
https://roumu.com/archives/55102641.html
2008年7月23日「労働保険関係届出書訂正・取消願」
https://roumu.com/archives/55102637.html
2007年10月9日「事業所別被保険者台帳提供依頼書(雇用保険)」
https://roumu.com/archives/cat_50087766.html
2007年7月2日「雇用保険の取得・喪失漏れを防止する方法」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51010200.html

 

(宮武貴美)

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新旧事業実態証明書

新旧事業実態証明書 事業所の合併や分割、個人事業主から法人へ変更した等の場合に変更前後の事業主について同一か否かを判断するための証明書の書式(画像はクリックして拡大)です。
重要度:★★★
官公庁への届出:必要(公共職業安定所に依頼)
法定保存期間:特になし

[ダウンロード]
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Word形式 shinkyuu_syoumei.doc(31KB)
pdfPDF形式 shinkyuu_syoumei.pdf(20KB)

[ワンポイントアドバイス]
 変更前後の事業主が同一と認められない場合は、変更前の事業所の被保険者について、一旦被保険者資格の喪失及び取得手続が必要となります。この書式は各公共職業安定所により若干違いがあり、また、別途変更届等が必要ですので、事前に管轄の公共職業安定所までお問い合わせください。


関連blog記事
2008年8月4日「雇用継続給付関係各種通知書等再作成・再交付申請書(提出用)」
https://roumu.com/archives/55112461.html
2008年7月25日「改印届(雇用保険)」
https://roumu.com/archives/55102641.html
2008年7月23日「労働保険関係届出書訂正・取消願」
https://roumu.com/archives/55102637.html
2007年10月9日「事業所別被保険者台帳提供依頼書(雇用保険)」
https://roumu.com/archives/cat_50087766.html
2007年7月2日「雇用保険の取得・喪失漏れを防止する方法」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51010200.html

 

(宮武貴美)

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「当たり前のこと」と就業規則

 かつて多くの人が慎んでいたことをあたりかまわず行い、それを誰かが注意を与えるまでその問題行動に気づかない「善良だが無頓着な人々」が急増しているという。


 キチンと注意を与えるとその行動はたいてい収まるのだそうだ。例えば、列車内で携帯オーディオを大音量で聞いている人は周囲の迷惑に無頓着だが、この人に注意すると、「すみません」と言って自重されることが多い。記事で注目したのはその後の記述である。それは「周囲がその人に対して注意をすることを主催者に要求している」という内容だ。それをしないとクレームになり、主催者は信用を失う。ゆえに主催者はその対処として、校則よろしく「○○はしないでくだざい」と大書したり、細かいことまでしつこくアナウンスするなど、一応の義務を果たしているというポーズをとらざるを得ない。ある劇場では、「上演中は菓子のビニール袋等でガサガサという音を立てないでください」というような、恥ずかしくなるような注意書きが大きく貼ってあるという。これが今の時代である。そして、全年代にこの「善良だが無頓着」の風潮が拡がっているように思う。


 ひるがえって、これが会社の労務環境ではどうか。こういう時代になると、就業ルールや服務規律は暗黙の了解ということでは済まない。細かく規定し、しつこく告知し、問題行動に対しては使用者側が明確な注意を与えなければならないが、この規定を記したものが就業規則である。就業規則は労働基準法に基づいた労働者の権利だけを謳ったものだという見方があるが、これは誤解である。就業規則はいまや労働契約そのものであり、その契約内容は労使の権利義務もさることながら、実は従業員に要求する就業ルールや服務規律がメインテーマなのである。この規定がなく、更に使用者が何も注意を与えないと、善良な従業員でも「していてもいい」、「やらないでもいい」と捉えるのが普通だと考えるべきである。


 例えば、「無断で遅刻してはならない」というルール。ある会社の従業員が悪意なくこれをやった。しかし就業規則にそれを禁止する記載はない。故に本人は遅刻しても「別にキチンと所定時間を働けば問題ないでしょう」と当然のように言う。もちろん無断遅刻は労働契約(始業時刻は重要な契約内容になっている)の違反行為なので、就業規則に記載はあろうがなかろうがこれは立派な債務不履行であり、度重なれば使用者は契約解除(解雇)ができる。


 もう少し判断が厄介なものに「周囲との協調的行動」があるが、これも契約内容とすれば、この著しい欠如は債務不履行と同じである。しかしここで留意すべきは、その問題行動を会社が規定し、告知し、注意を与えることを周りの従業員が暗に要求しているということだ。これをしないことが会社への信頼感を失い、やがては組織風土が悪化する。こういった面から見れば、就業規則は問題行動そのものに対する牽制であり、さらには周囲のモチベーションダウンを防止する重要な役割も果たすことになる。



関連blog記事
2008年7月15日「活力のある会社には訳がある」
https://roumu.com
/archives/51370957.html

2008年6月26日「労働時間管理の難しさ」
https://roumu.com
/archives/51359311.html

2008年6月12日「報酬差をつけるのであれば説明は不可欠」
https://roumu.com
/archives/51349960.html

2008年5月6日「賞与と配分のロジック」
https://roumu.com
/archives/51317736.html

2008年4月18日「昇給を考える その2:ビジネスモデルに対応する賃金制度の構築」
https://roumu.com
/archives/51307059.html

2008年4月9日「昇給を考える その1:定期昇給制度の意義」
https://roumu.com
/archives/51295326.html

2008年3月21日「最近の労働法令改正から見る労務管理のトレンド(その2)」
https://roumu.com
/archives/51283383.html

2008年3月12日「最近の労働法令改正から見る労務管理のトレンド」
https://roumu.com
/archives/51275190.html

2008年2月21日「人事評価、公平性の陥穽と本筋論」
https://roumu.com
/archives/51259557.html


参考リンク
Wordで使える!就業規則・労務管理書式Blog
http://blog.livedoor.jp/shanaikitei/


今後の小山邦彦のセミナー予定
【10/3】「人事考課研修DVDを使った効果的な人事考課研修の進め方」(東京)
https://www.roumu.com/seminar/seminar_evadvd.html
【10/21】「人事考課研修DVDを使った効果的な人事考課研修の進め方」(大阪)
https://www.roumu.com/seminar/seminar_evadvd.html


(小山邦彦)


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同僚の前でひどく怒鳴ってしまった、これはパワハラになるのでしょうか?

 本格的な夏を迎え、汗をふきながら服部印刷に到着した大熊社労士。総務の福島さんが出してくれた冷たい麦茶でのどを潤していると、宮田部長がドタバタと入ってきた。



宮田部長宮田部長:
 大熊先生、いいタイミングで訪問してくださいました。来社早々で申し訳ないのですが、相談にのってください。今週社長は1週間出張で不在なので、どうしたらよいか迷っていたんです。
大熊社労士:
 もちろん、結構ですよ。どのようなご相談ですか?
宮田部長:
 実は、入社2年目の社員が昨日、今日と無断欠勤をしているのです。彼は大学卒業と同時に、九州から出てきて一人住まいをしているのですが、アパートへ連絡してみても、電話に出ないのです。
大熊社労士:
 そうですか、それは心配ですね。体調が悪かったとか、欠勤の原因に何か心当たりはありますか?
福島照美福島さん:
 はい、実は一昨日、彼と退社の時間が一緒になり駅まで仕事の話をしながら帰ったのですが、その日、上司から注意を受けたようなのです。かなり厳しく注意を受けたみたいで、同僚の前で怒鳴られたといってかなり落ち込んでいました。
宮田部長:
 注意をした上司も、その社員と電話連絡が取れたかと何度も総務に聞きにきているようです。自分はそのつもりはなくても、結果的にパワハラをしてしまったのではないかとかなり気にして、つい先ほどまで話を聞いていましたところなんですよ。
大熊社労士:
 なるほど。まずは、欠勤している社員に引き続き連絡を取ってください。どうしても連絡が取れないようであれば、アパートを訪問するなどして確認をしてください。体調不良などが原因ということも考えられますから。体調不良ではなく、上司の注意指導に納得できなかったり、不満があって欠勤しているのでしたら、彼の話をよく聞いてあげてください。上司の前では、言い出せなかったこともあるかもしれませんから。その上で、会社としての対応を検討すればよいでしょう。しかし最後に、上司に対し不満や言い分があったとしても、無断欠勤は会社のルールに違反していることを説明し、反省を促しておくことも必要です。
宮田部長:
 わかりました。とりあえずは、彼の住んでいるアパートを訪ねてみることにします。
福島さん:
 注意をした上司は、普段怒ったことのないので、話を聞いてびっくりしました。でも、業務上の注意や指導とパワハラの線引きは難しいでしょうね。
大熊社労士大熊社労士:
 そうですね、そもそもパワハラは業務上の注意指導やしつけとの境界線が実務上曖昧であるため、上司としては通常の指導の範囲と考えていても、部下からはパワハラであると指摘されることが少なくありません。両者の認識に違いがあるため、非常に難しいのです。
福島さん:
 しかし、何らかの対策を打っていかなければいけないでしょうね。
大熊社労士:
 はい、そのとおりです。パワハラは、加害者や被害者の個人的な問題だと言う人がいますが、決してそうではありません。職務上の立場と大きく関係して起きる問題ですので、被害者の立場からすると、職場での立場などを利用して人を傷つける行為であるといえます。パワハラを放置していると、社員の尊厳を傷つけるだけではなく、モラールダウンをもたらし、その結果、会社の業績や社会的信用の問題にまで発展しかねません。ゆえに、パワハラは、企業にとって労務管理上の問題なのです。この点をしっかりと認識しておく必要があります。


>>>to be continued


[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
大熊社労士のワンポイントアドバイス こんにちは、大熊です。今回は、パワー・ハラスメント(パワハラ)について取り上げてみました。パワハラが引き起こされる背景としては、能力主義や成果主義といった仕事の価値観の変化が、社員間においても競争を激化させ、職場の人間関係に影響を与えたこと、女性の職場進出や非正規雇用社員の割合増加といった雇用形態の違い、就労意識の多様化に対する従来の会社中心(男性中心)の社会意識のゆらぎや反発があること、そうした環境の影響を受けて、人間関係が複雑になり、それに応じてコミュニケーションのとり方が難しくなる中で、それに対応できていない状態であることなどがあげられます。したがって、パワハラは企業が責任をもって対応すべき労務管理上の問題であることをきちんと理解する必要があります。


 ハラスメント問題に関しては、名南経営の社会保険労務士 鷹取敏昭が8月26日に「パワハラ・セクハラ その現状と企業に求められる実務対策」セミナーを開催します(豊田市)。是非ご参加ください。
https://www.meinan.net/seminar/20080826rout.html



関連blog記事
2008年7月28日「労働基準監督署の申告監督とはどういうものですか?」
https://roumu.com/archives/64941352.html
2008年7月21日「労働基準監督署の立入調査のチェックポイントを教えてください」
https://roumu.com/archives/64941343.html
2008年7月14日「労働基準監督署の立入調査では、どのようなことをするのですか?」
https://roumu.com/archives/64928983.html
2008年7月7日「労働基準監督署の立入調査とは何ですか?」
https://roumu.com/archives/64927921.html
2008年7月14日「深刻化する企業内でのいじめ・嫌がらせ」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51370980.html
2007年12月19日「多くの職場で見られる「いじめ」の実態」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51200561.html
2007年10月14日「組織を悩ますコミュニケーション下手の増加」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51113496.html
2007年05月04日「7割以上の社員が管理職へのパワハラ研修の実施を要望」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/50959952.html
2005年05月21日「労働相談内容に関する東京都産業労働局の調査結果とパワハラの増加」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/22468148.html


参考リンク
8月26日「パワハラ・セクハラ その現状と企業に求められる実務対策」セミナー(豊田市)
https://www.meinan.net/seminar/20080826rout.html
社団法人産業カウンセラー協会「産業カウンセラー440 人が見る職場/悲惨さ増す「職場のいじめ」の実態」
http://www.counselor.or.jp/pdfs/071212.pdf


(鷹取敏昭)


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雇用継続給付関係各種通知書等再作成・再交付申請書(提出用)

雇用継続給付関係各種通知書等再作成・再交付申請書(提出用) 雇用継続給付に関する各種通知書等を紛失した場合に再交付してもらうための申請書式(画像はクリックして拡大)です。
重要度:
官公庁への届出:必要(公共職業安定所に依頼)
法定保存期間:特になし

[ダウンロード]
word
Word形式 keizokukyuuhu_saikouhu.doc(32KB)
pdfPDF形式 keizokukyuuhu_saikouhu.pdf(22KB)

[ワンポイントアドバイス]
 雇用保険雇用継続給付関係の書類は専用の様式にて申請を行います。この申請書を紛失したときなどに再作成や再交付の申請を行います。この書式は各公共職業安定所により若干違いがあるようですので、事前に管轄の公共職業安定所までお問い合わせいただいたほうがよいでしょう。


関連blog記事
2008年7月25日「改印届(雇用保険)」
https://roumu.com/archives/55102641.html
2008年7月23日「労働保険関係届出書訂正・取消願」
https://roumu.com/archives/55102637.html
2007年10月9日「事業所別被保険者台帳提供依頼書(雇用保険)」
https://roumu.com/archives/cat_50087766.html
2007年7月2日「雇用保険の取得・喪失漏れを防止する方法」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51010200.html

 

(宮武貴美)

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メールで会話をする職場

 近年、無口な職場が増加していると言われています。その背景にはIT化の進展により業務の変化がありますが、社員はパソコンに向かって黙々と仕事をする状況が日常化し、目の前に座っている社員の様子や表情さえも気にしなくなるといったことが少なくありません。もしかするとみなさんも、同僚がクールビスの格好をしていることを同僚が話をするまで気がつかなかったり、新人社員が資料づくりに悩んでいることに気がつかなかったりといった経験があるのではないでしょうか。取引先や関係先の人の表情はよく見ているものの、身近な社員の表情を見ていないことが多いと改めて実感させられます。


 職場では、本来であればちょっと声をかけて話をすれば済んでしまうにも関わらず、静かな(無口な)職場となっているために声をかけそびれ、メールで済ませてしまうことが少なくありません。また、最近では何でもメールで対応しようとする人がおり、こちら側がメールの要件で声をかけると「その件はメールで回答します」と言って故意にコミュニケーションを避ける社員がいるなど、対応に困ることもあります。


 社員間のコミュニケーション不全が指摘される中、このように社員がメールに依存した状態のままにしておくと、組織内コミュニケーションがますます取りにくい状況に陥ってしまいます。よって会社としては、メール依存の弊害を社員と共有し、対策を講じていく必要があります。例えば、上司と部下のコミュニケーションを確実に図るために、週に1回は部下からの相談できる時間を設けこの時間帯であればいつでも対応するといった仕組みをつくったり、部下からの相談については原則口頭で対応するといったことから始めるのも良いでしょう。コミュニケーションは社員各人の問題と割り切るのではなく、組織として積極的にその問題解決に取り組んでいくことが強く求められています。



関連blog記事
2008年7月15日「活力のある会社には訳がある」
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/archives/51370957.html

2008年5月14日「不機嫌な職場」
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2008年4月29日「新入社員が抱える5月病への対策」
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2008年4月6日「新入社員のリアリティショック防止の必要性」
https://roumu.com
/archives/51297956.html

2008年3月16日「会社に求められる新入社員へのフォロー」
https://roumu.com
/archives/51279833.html

2008年2月28日「人材流出予防のために求められる企業魅力度の向上」
https://roumu.com
/archives/51263077.html

2008年2月23日「人材流出予防のための処方箋」
https://roumu.com
/archives/51258783.html

2007年2月23日「エンプロイメンタビリティ改善による企業魅力度の向上」
https://roumu.com
/archives/50896886.html


(福間みゆき)


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