今春行なわれた労働関係・社会保険の改正点を教えてください

新年度に入り、ようやく宮田部長の仕事も落ち着きを取り戻しつつあった。そこで、大熊は今春に行なわれた労働関係・社会保険の改正についてお知らせするために、訪問することにした。
宮田部長:
大熊先生、こんにちは。年度末から4月に掛けてはなにかと忙しかったのですが、ようやく落ち着いてきました。
大熊社労士:それはよかったです。改正労働基準法や改正育児・介護休業法といった法改正については以前解説しましたが、今日は今週行なわれた法改正の中から実務的な部分の改正内容についてお話したいと思います。まず、平成22年4月より雇用保険率(一般の事業)が11/1000から15.5/1000へ引き上げられています。
宮田部長:
そういえば、雇用保険率については昨年度に限り特例措置が設けられていたのですね。
大熊社労士:
そうですね。また社会保険関係の保険料率も引き上げられています。まず、健康保険については協会けんぽの支部ごとに定められた保険料率が適用されますが、例えば東京都の場合、8.18%から9.32%へ引き上げられました。
宮田部長:
随分高くなりましたね。
大熊社労士:
景気の悪化に伴って保険料収入が落ち込む一方で医療費の支出が増えたことにより、協会けんぽの財政は非常に厳しい状況となっています。そのため保険料率を大幅に引上げざるを得なかったようですが、これでは一層負担感が増しますね。また、介護保険料率も3月1日より11.9/1000から15/1000へ引き上げられていますので、4月に支払われる給与から正しい保険料率で徴収されているのか確認しておくことが望まれます。
福島さん:さっそく確認しておきます。しかしこのように社会保険料が増加すると社員から手取りが減ったと問い合わせがくるかもしれませんね。
大熊社労士:
そうですね。問い合わせが多い場合は、お知らせ文を給与明細に同封しておくとよいですね。会社規模によっては、総務担当者が問い合わせに追われることがあり、このような場合、事前に文書を配布しておくと問い合わせが少なくて済むということがあります。
福島さん:
それは良い案ですね。
大熊社労士:
上記の他、細かな改正が行われていますが、在職老齢年金に関係する支給停止調整額が48万円から47万円に引き下げられたことも押えておく必要がありますね。
宮田部長:
この改正により該当者は、年金が減少するということですね。
大熊社労士:
そのとおりです。ちなみに年金は2ヶ月ごとに支給され、4・5月分は6月に支給されます。そのため、6月に入ってから問い合わせがあるかも知れませんので、注意が必要ですね。
宮田部長:嘱託社員の中で該当者がいるか否かを確認して、問い合わせがあったときに説明できるようにしておきます。
>>>to be continued
[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
こんにちは、大熊です。今回は今年度に施行された労働関係・社会保険の改正についてとり上げましたが、ここで次世代支援法について補足しておきましょう。現在、労働者の数が301人以上の企業は、「一般事業主行動計画」の策定・届出が必要となっていますが、平成23年4月からは101人以上の300人未満の企業についても対象となります。そのため今年度中に、会社として仕事と子育ての両立を図るためにどのような支援をしていくのか検討を始めておきましょう。
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(福間みゆき
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扶養親族とは、居住者と生計を一にする次の人(青色事業専従者として給与の支払を受ける人及び白色事業専従者を除きます。)で、合計所得金額が38万円以下の人をいいます。
居住者に扶養親族がいる場合には、扶養親族1人につき38万円(年齢16歳以上23歳未満の扶養親族(特定扶養親族)については1人につき63万円、年齢70歳以上の扶養親族(老人扶養親族)については1人につき48万円)を扶養控除としてその居住者の所得から控除することとされています。
給与等に対する源泉徴収税額は源泉徴収税額表によって求めますが、源泉徴収税額表においては控除対象配偶者、扶養親族の人数など(扶養親族等の数)に応じて税額を算出することとされています。
これらの改正は、平成23年分以後の所得税(給与等に対する源泉所得税については、平成23年1月1日以後支払うべき給与等)について適用されます。したがって本年(平成22年)分の所得税については、従前どおりの控除が適用されます。
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